幻のF107ウルトラセイバー自衛隊仕様

昨晩の「残念機」を取り上げた岡部いさく先生の一連のツイートを読んで、ほったらかしにしてたネタをひとつ思い出した。F-107のプラモデルの話です。
http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20061016
F-107ってのは「アメリカ合衆国ノースアメリカンが開発していたジェット戦闘爆撃機。F-100戦闘機の発展型である。F-105との競争試作に敗れたため採用はされず、試作機はテスト機として生涯を終えた。」(ウィキペディア「F-107 (戦闘機)」より引用)
F-86セイバーから発展したF-100スーパーセイバーの発展型なので非公式の愛称はウルトラセイバー、あるいはスパスパセイバー。生産数はわずか3機にとどまったのですが、そのプラモデルの広告を見つけたのですよ。

『少年少女通販広告博覧会』(串間努河出書房新社2006年 asin:4309269133 )p89からの孫引きですが、キャプションによれば『冒険王』昭和39年(1964年)12月号に掲載された通販広告。

F107J 定価 100円 送料 50円 ……F107で、しかも"J"と付いてます。てことはこれ、自衛隊に採用されたという設定の架空仕様でしょう。

上に書いたとおり、実機はF-105との競作に負けて、初飛行から1年ちょっと経った1957年にもう退役(NASAの前身であるNACA(アメリカ航空諮問委員会)に移管)、実用化の道は閉ざされました。1964年となれば微妙な具合で「過去の飛行機」だったでしょうに、プラモデルにしちゃったんですねえ。そのうえ、何かの勢いで日の丸まで付けてしまったらしい。まあ、エアインテークを機体上面に背負った特異なスタイルは目を引くし、模型映えしそうですけどね。


こちらは『日本プラモデル50年史』付録のCD-ROMでの検索結果。日東科学のジェット機シリーズNo.4、発売はやはり1964年9月。こちらでは製品名は「ノースアメリカン F-107」になっており、実際の商品がどのような仕様だったかは不明。ただ、縮尺が1/132というから実質ノンスケールでかなり小さく、「組み立ておもちゃ」的な商品だったと推察されます。

日本プラモデル50年史 1958-2008

日本プラモデル50年史 1958-2008

ちなみにこの本、定価は税別4800円、アマでは中古でも4533円からになってますが秋葉原の某黄色い潜水艦で半額になっているので気になる人はどうぞ。

(続き↓)
http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20150707/p1