忠魂碑・忠霊塔#30

ぼちぼち写真を撮ってはいるのですがブログで取り上げることが無くなった「忠魂碑」の話題を久々に。16日の出来事なので16日付で。
仕事でちょっと文京区のほうに出かけた帰りに見かけた石碑。

場所は光源寺境内。

「日支事変戦服軍馬犬鳩 慰霊碑」

彫りが浅くて見づらいですが、三面八臂でどうやら馬頭観音のようです。碑の性格からしても当然か。

如是畜生発菩提心
東都納札睦会 発起 高橋藤
継時 昭和十四年五月建之
駒込大菩薩
光源寺第二十四世 瑞誉俊宏代

初めは「何故ここに?」と思っていたのですが、「高橋藤」と発起人の名前が明記されているので、マァ個人が軍馬犬鳩を憐れに思ってのことなのでしょう。ただ、日清・日露戦争でなく太平洋戦争でもなく、対米開戦前に建てられた日中戦争(日支事変)戦死者の碑だというのが興味深い。
 
その近くの「御林稲荷社」にも「忠魂碑」。


「海軍大将山本英輔謹書」

故陸軍砲兵大尉土井浩君之霊
 君為中支軍内山旅団司令部員昭和十三年六月十七日帯用務赴南京途遭残敵戦死
 
故海軍三等兵曹奥田吉丸君之霊
 昭和七年二月廿九日戦死 于 上海第二特別陸戦隊決死隊八字橋攻撃

これも日中戦争の戦死者を弔う碑なのでした。慰霊碑・忠魂碑自体は決して珍しいものでないし、いずれも形状はさほど特徴的でないのですが、日清・日露戦争でなく太平洋戦争でもないものが2つ集中していることには、何かこの地域の歴史が背景にあるのではと思います。