週刊少年ジャンプ#22.23

ジャンプの感想を書くのは何年ぶりだろう…。(←ちょうど一年ぶりでした)
めだかボックス最終回
「あー、や〜っと終わったあ」というのが偽らざる感想だったりしますが、いやいや、とうに「終わっている」物語をここまで引っ張ったことは、素直に賞賛します。良くも悪くもジャンプ漫画によくある、新設定・後付け設定の追加で無理矢理引っ張る展開でありながら、「黒神めだかをめぐる物語」という芯からブレることなく最後まで貫いたことなどは、さすがは人気作家の力量と感じました。

後付け設定の数々も、当初は断片的にしか触れていなかった黒神家の設定の空白を活かしたり、連載開始当初から謎の存在のままでいた半袖を活かしたりで、うまいことはまったという印象。いやほら、『ブリーチ』なんかも「頑張って考えてるなあ」と思うけど「頑張って考えてるなぁ」以上の感想にはならんのよね。

連載開始当初は「ジャンプ」というフィールドのルールに則って、アンケートの反応をうかがいながらこまめに話の舵を切り直し、人気が安定してくるといかにもジャンプ漫画な装いで、しかし西尾維新らしい作品を送り出すようになり、そのうちにメタな視点を積極的に導入して「ジャンプマンガのルール」を俯瞰し始め、何やかやと読者を挑発しながらもなおジャンプマンガのままでいた。そして最後は、卒業とさらに成人によってジャンプマンガ的な能力バトル要素を封印し、ジャンプマンガではない何物かとして幕を下ろす。

全体としては出来が良いとは言い難いですし、好き嫌い分かれる作品だとは思いますが(実は私も安心院さんの改心以後は割とどうでもいいと思っていたり)、ともかくも大したマンガだったのは間違いないでしょう。
 
食戟のソーマ
今までは創真に振り回されるのが主な仕事だった田所が、ついに正ヒロインに昇格した。退学を言い渡される理由が単なる力量不足ではなく、かばう創真の「食材管理の責任はシェフにあるのでは」という言い分も筋が通っている。これまでフッかけられるばかりだった食戟を21話にしてついに自ら申し出る、というシリーズとしての話運びも良い。ここがまず序盤のヤマだなー。
 
ワールドトリガー
掲載位置がすっかり後ろのほうに。オサムの妙に高いモチベーションのもとであるヒロイン(?)が登場したことで、ここから盛り上がるか?
 
「クロスマネジ」
予想はしていたけど、試合だけの話になるとちょっと微妙な感じ。主人公側が負けるのを前提で読んでいるからなあ。試合の流れよりも、「どういう落としどころに持っていくのか」に興味がいってしまっている。