鴨江旅館街

静岡旅行のつづき。木下恵介記念館からまた徒歩移動。

中央分離帯のある広い道路……いや、上下それぞれ一車線ずつの幅しかないからむしろ狭い道路か(ていうかこれ、上り下りで分離しているのか?)。こんな不思議な、広いとも狭いとも言える道が……。

このうえ不思議なことに160メートル余りで駐車場に突き当たり、ブツリと途切れてしまう。さらにさらに不思議なのは、沿道にやたらと旅館やビジネスホテルが多いのだ。

ここは鴨江旅館街。旅館街っていったって、観光名所も温泉も無く、駅前や市街の中心部からも遠いこんな場所に集中的に旅館を配置したって、どう考えても供給過剰。実際、既に廃業となって「テナント募集」の札を提げた「元」ビジネスホテルもあった。

集中的に配置されたのは、実は旅館ではなかった。これら旅館の前身が、一カ所に集めておくべきものだった。

ここは赤線地帯、遊郭だったのである。昭和33年の赤線廃止に伴い、業種を旅館に転換したのだった。

……なんて大層に書くけど、私も実は現地に行くまでこんな街だとは知らなかった。例の『浜松ジオラマファクトリー開館記念公式パンフレット』の地図にちょこっと「双葉遊廓跡」と書かれていたのをみて、「何か古い建築物が残っているかも」と足を延ばしただけだった。
建物はさして目を引くものは無かったが、こんな風変わりな街が見られて十分楽しめた。いや、もしも遊郭跡という前提で見なければ、さして気にも留めず、未完成の都市計画道路のなれの果てだと思っていたところだろう。
 

<3月1〜3日の静岡旅行レポート>
「航空自衛隊浜松広報館」 「浜松ディオラマファクトリー」 「遠州鉄道」
「弁天島」 「スズキ歴史館」 「大井川鉄道」
インターミッション
「天浜線気賀駅の周辺」 「奥山線の遺構【金指、亀山トンネル】」
「鴨江別館・木下恵介記念館」
「JR東海浜松工場〜堀留ポッポ道」