週刊少年チャンピオン#11

「真・餓狼伝
なにこのタイトル「飢狼伝説」のパクリ? とかボケる気だったがあっちも今や過去のタイトルか……。ビッグネームとか大ベテランとかを担ぎ出して、予想もつかない作品を描かせる、というのはチャンピオンの得意技ですが、それにしても今なぜ夢枕獏? なぜ餓狼伝? と思ってしまう。板垣恵介版が好調なのかもしれないが……。それを思うと、あの頃に菊池秀行に「魔界都市ハンター」を書かせたのは凄かったな。

さて、タイトルこそ「餓狼伝」ですが、「巨匠初の書き下ろしコミック原作」とのこと。かなり力の入った連載のようですが、そのためか実に夢枕獏的で、70ページもかけて全く話が進まない。「ストーリーを読ませる」マンガが狙いでないとしても、人物造形はもうちょいなんとかしてくれないと、バトルを見せられても気分が盛り上がらないよ。

前田光世がひたすら強いだけ、やられる暴漢はわけも無く(あるにはあるが)暴れてただけって、どこを面白がればいいのか。投げる・締める・極めるの一連の技などは、地の文というかナレーションが解説してもよかったのでは?

マウントポジションで本当に山が乗っかっている絵とかのマンガ的なハッタリもぎこちなく、作画担当はおっかなびっくりで試している感じ。

まぁ次回から明治びっくり格闘家大集合になるようで、本番はそれからだろう。ただ、そうなるとますます技解説が欲しくなるのだが……。
 
木曜日のフルット
お母さんはこんなに立派なのに、どうしてこんな子に育ってしまったのか……ってしまった、他人のこと言えた義理じゃないな私。
 
バチバチBURST」
空回りキャラ同士が噛み合わないままそれぞれ空回りしている感じ。勝つ(であろう)王虎も負ける(であろう)常松も、ぶっちゃけどうでもいいんだよなぁ。
常松って「もうひとりの鯉太郎」というか「鯉太郎が別の道をたどった姿」が狙いなんだろうけど、相撲で挫折した肉親がいて〜という過去を持つキャラは既に天雷がいるから二番煎じ感が甚だしい。
王虎は、口で相撲を取るのが得意なのは相変わらずで、その小物然とした性格がそのままなのに大物ヅラしているアンバランスをどう捉えていいのか未だにわからない。
 
いきいきごんぼ
バレンタイン合わせの年中行事回かと思ったらトビラでいきなりオチだった。この構成多いね。
 
名探偵マーニー
今回はワースト級に酷い話だにゃあ。ロードレーサーに電動アシスト付けたら一見してそれとわかるし(ていうか実際マーニーは「このゴーストの自転車の形は」言ってるし)、そんな改造ができる人間なんてごく少数なんだから、最初に現れた時点でもう犯人特定できるやん。
自転車関連のディテールには目をつぶるとしても、「途中で消えるようにいなくなってしまう」の謎が投げっ放しでいいのかと。だからこそゴーストなんでしょ?
現実に違法改造して自転車乗りにケンカを売っていたゴーストと、スピードの先で手招きしているゴーストの幻とで話が全く噛み合っていないのもどうかと思う。
 
「くろすぶりーど」
昔、「らんぽう」ってマンガの連載第1回が載っている「チャンピオン」を読んだことがありまして。ところが次号予告のページに「早くも話題沸騰!」とかのアオリ文句がつけられておりまして。「あれ? 第1回を読んだつもりだったんだけど、前からやってたの? いつの間に話題沸騰?」としばし困惑、トビラページに戻って新連載であることを確かめたりしたものです。
そういった景気付けの、言ってしまえばウソをついてるアオリ文句と違って、「反響の大きさに慌てる19歳」にはリアルな反響&それに対する作者の反応とが感じられました。
作品自体の感想は無し。書けば悪口になる。悪口は書きたくない。