妖怪人間ベム

悪人の涙で人間になれる、というのはちょっとファンタジックというかロマンチックに過ぎるよなー、と思っていたら、大詰めになって身も蓋も無い真相が明らかに。見事に騙されてました。そのうえで「しまった、そういやそうだ」と納得のいく種明かしで巧いうまい。

悪の黒幕が実は4人目の(最初の)妖怪人間だという点には驚きはなかったし(元よりアニメのベムっぽいデザインだしね)、善の心と悪の心に分離して〜という設定はやや安直な感じがしましたが、お茶の間〈死語〉向けTVドラマとして程よい分かりやすさでしょう。捉えようによっては「ベムは自らの意志で善行をしていたのではなく、元々そういう機能を背負わされていただけ」というドライな設定ともいえますし。

善悪を併せ持たないと人間にはなれない、というとやっぱりアレを連想するんですが、最終回もアレですか、「今の僕は人を騙すことも、兄弟を殺すこともできる」と言ってベラ、ベロを殺して己の運命に決着を付けて、ひとり何処かに去って終わりですか!?

もちろんそんなわけはないけれど、かといって予定調和的なハッピーエンドにもできないはずで、「どう決着を付けるのか?」が楽しみな久々のTVシリーズになりました。最終回はビミョーに枠を拡大しているから録り逃さないようにしないと。