妖怪人間ベム

変身後の姿が「中に人が入ってる」感バリバリで安っぽいことを除けば、ちゃんと観られる出来でした。ベロ役の子役が可愛いね。
元のアニメでは、まさに「いつ生まれたのか誰も知らない」存在だったのを改変して、割とわかりやすい人造人間の設定にしたのも、「はやく人間になりたい」という願望の裏付けとなっていて良いでしょう。
そのために、積極的に人助けをする動機が弱くなっているのですが、そこもまぁ「人間らしい行動を取ろうとしている」のだと理解できるレベル。非人間的な行動を取る人間に対し、人間的な怒りを覚える妖怪人間、という図式はベタながらも鮮明で、巧く設定を消化していました。
途中、刑事の親戚にキーアイテムである杖を持っている人がいた、というのは無茶苦茶ご都合主義的で、しかも「まったく無関係でベムがっかり」というオチにバタバタと畳み込まれてしまい、何か意味があったの? と疑問。
ただ、他の家族が不審者扱いするベムたちを寛容を迎え入れたり、「生物学の権威」という設定だったりするあたり、ミスリードに見せかけた伏線かもしれないので評価は保留(いずれにしても、たまたま関わった刑事が、たまたま尾行がバレてしまったためにベムたちを夕食に招いたら、その部屋にはたまたま杖を持った男の写真が飾ってあった、というのはあまりにヒドいご都合主義だけど)。