週刊少年チャンピオン#51

「ましのの」「さくらdiscode」未読、「弱虫ペダル」「ドカベン」流し読み。それ以外の全作品の感想を書いてみるという試み。
 
琉神マブヤー
♪琉神 琉神 マブ〜ヤ〜 BS-TBSだったっけ? 一挙放映のときに観た。何てことのない風景でもそれがいちいち「沖縄の絵」になってるのが良かったね。

しかし、結局のところ「ご当地ヒーローなのにカッコいい」「ご当地ヒーローとしては手間がかかっている」「ご当地ヒーローの割にはきちんと話づくりができている」作品なのであって、所詮はパロディ。マンガというジャンルでやるには、相当に尖った作品にしないと辛いのではないか?

秋田(書店でなくて県のほう)のご当地ヒーロー「超神ネイガー」のマンガ版は単行本で読んだのだが、さすが奥田ひとしというべきか非常に完成度が高いんだけど、「でもこれマンガで読んでもなぁ……」という思いがぬぐえなかった。

この「琉神マブヤー」も妙に手堅くまとめていて、だからこそ消化不良気味。といっても、いつもどおりの哲弘センスで味方も敵も変態だらけのマンガになっても困るが。
 
「行徳魚屋浪漫スーパーバイトJ」
凄いのが「よくわからない包丁さばきでわたを捨ててく主任」のコマ。NJ先生、たぶん本当によくわかってなくて主任の手元はごまかしているが、なのにちゃんとすごい包丁さばきに見える。
 
「侵略!イカ娘」
アニメでスポンサーが激減したことに驚いたが、考えてみれば11月上旬でミニストップでのキャンペーンもナンジャタウンでのイベントも終わったんだよな。個人的には結局「海の家れもん」のペパクラを買っただけでした。

閑話休題今回は、渚と鮎美という取り合わせの妙で話を回し、千鶴でオチでした。人外の自覚が無かったのか千鶴、と思わなくもない。鮎美は巧い具合に難儀なキャラに育ったね。
 
範馬刃牙
一体何の勝負なんだ的な展開になってきたと思ったが最初からこんなんだった気がしなくもない。
 
毎度!浦安鉄筋家族

「横浜と言えばカープファンは横浜に感謝しなくっちゃ」
「そーよね。横浜がビリを死守してくれたから」

「もちろんタイガースファンだぜー。バース、掛布、岡田ー」
「……今年の監督は?」
!! 吉…いや、星……の」

あはははは。プロ野球マンガではないプロ野球ファンマンガというのも「最狂スーパープロレスファン列伝」くらいに面白く描けるかもなぁと思った。
 
バチバチ
嵐の前の静けさというべき回。今一つ不鮮明だった、マコとその父に対する鯉太郎の想いが描かれる。これはこれでいいんだけど、父・火竜がいてマコがいて、そのうえ空流部屋まで背負っている鯉太郎に対して、白水が背負っているものは空流しか描かれていないのがアンバランス。主人公とサブキャラという根本的な扱いの差はあるとはいえ、もうちょっと白水の背後に厚みを与えて欲しい。
 
「クローバー」
「気の合う仲間でツルんでいただけで、抗争には興味がなかったのに、絡まれて巻き込まれて変容していった」……というのはこの手の漫画によくあるパターンですが、バイカーグループとしての描写にちょっと説得力がある。ツーリングのコースでもめてたり、免許を取ろうかなんて会話で、健全なバイク乗りだと伝わってくるのが巧い。
 
シュガーレス
毎度のことながら、シャケは何しに出てきたんだかよくわからない。いやもちろん、ただ見物にきただけなんだけど、ストーリー展開上の意味とかが。
 
ラッキーストライク
リトルリーグが題材なら、これくらいに肩の力が抜けた漫画のほうがいいのかもなと思う。「ショー☆バン」は面白いんだけど、うんちく要素がときどきちょっと息苦しかったから。
 
空が灰色だから
ああ、そうか。「鈍感な男の子の世話を焼く幼なじみの女の子」「成り行きで異世界の女の子と同居することになってドタバタ(いわゆる落ち物パターン)」ときて、今度は「女子高生たちのゆるゆるとした日常の会話(いわゆる日常系)」てな調子で、既存のパターンをこの作家なりに消化するとこうなっちゃう、ということなのか。
お約束に対する嫌みとかパロディとかでなく、根っからのセンスでこういう作品に仕上がってる感じなのが恐ろしい。片想いの百合関係とか、恥ずかしがりながらの猫耳コスプレとか、色々と昨今の人気作に追随しているのに、それらの原型とはまるで無関係な作品になっている(苦笑)。
いや、面白いんだけど、毎週読んでるとこう、色々と辛い。希有なセンスだけに、週刊連載ですり減らして欲しくないなぁという思いもある。
 
てんむす
対戦相手の描写のほうが厚いのは毎度のことなのでもう気にならないが、遊とニコの二人の描写をスッ飛ばして、天子に重点化されるのがちょっと気になる。星取りとしてはここで負けても良いので、天子は敗北を喫した上でさらなる成長を遂げる、という展開になるのだろうか。
 
聖闘士星矢冥王神話外伝」
メイドさんが何の含みもなく本当に被害者の娘だったのが驚き。まさか書きかけの物語がこの先の伏線になるわけでなし、今回の話でかえって存在感が弱くなったなぁ。
 
「囚人リク」
それ囚人って設定と関係ないじゃん!? なバトル展開を脱して、やれ運動会だ、今度はお誕生会だと独特の展開に入ってきて面白い。物語の原点である「おじさん」をちゃんと絡めているし。
とはいえ、今のあたりはなんだかんだで幕間劇でしかないのだろう。次回以降何か波乱がありそうだけど、今回の話でお誕生会は終わりでも良かったのではないか。
 
「デザートローズ」
このタイミングでタイトルの意味が出てきたよ。この一戦だけで終わってしまうのか? それでも話はまとまるけど、甲子園とさかんに言っていた出だしからすると、いささか尻すぼみという印象。「デザートローズは花じゃねーよ」というツッコミは禁止、というか劇中で言われそうな気がする。
 
うずらコンビニエンス」
最終回。ぶっちゃけつまんなかった。シュール感が空回り。「現実のコンビニ」を踏まえた上で、そこからの逸脱(もしくは超克)によってシュールレアルは成立するはずなのに、基盤となる「現実」がこの作品にはなかった。漫画家が題材の「荒くれネバーランド」はそこそこ面白いので、要するにコンビニに対する取材不足。悪くいえば手抜き。
 
ハンザスカイ
怪我の功名という展開自体はアリなんだが、誰もケガに気付かないのが不自然過ぎる。ケガをかばう動きは見て取れているのに、それをただ「前足の力が抜けて」としか思わないとか、一歩間違えればギャグの世界だぞ。
 
ANGEL VOICE
このところ試合の描写のボリュームが減ってきた感じ。まぁ、ひと試合ひと試合を引っ張ってもしょうがないけれど、これまで結構な出番があった美幕がほとんどかませ犬なのはさすがにもったいない気がする。
 
「イマワノキワ」
最終回。まぁ第3話あたりでもうネタ切れ感ギリギリだったしね。「学校怪談」並に話に幅を持たせるか、「不安の種」のようにアイデアだけでドンと見せるスタイルでないと、たとえ人気が出たにしても続けようがなかったと思う。
 
木曜日のフルット
フルットってなんだかんだで鯨井先輩の前では可愛い猫を装っているのね。