映画「カラフル」観た

映画「カラフル」を観てきた。
大スクリーンで玉電の砧線が色付きで動いたことに☆☆☆☆☆!

砧本村駅(風)の完成品ディオラマだってもってるんだぜー、といっても車両は名鉄だけど。
♪そこにーはただーかぜーが ふいているだけー(インストロメンタル)
  
しかし、それ以外は☆ひとつ。
観終わるまでは「話は好みでないが、とりあえず丁寧に作ってあるので☆☆☆」くらいの評価が妥当かなと思ってたんですが、ちょっとねえ。うん、全然だめですわ。
はじめのうちは「背景美術は丁寧だね」と思っていたんですが、観ているうちに「あれ? 流し台の空き缶と急須、ずっと同じ場所に置きっぱ?」とか「電子レンジ巨大化してね?」とか、「この塀って3DCGじゃなくて、単なるパースの付いた絵をまんま横パンで使ってねえか?」とか、かなり粗っぽいことに気が付いてくる。
屋外の遠景などは「あえてそうした」と言い張れるようにか、実写映像に最低限の処理しか加えてないものを背景として使っているんですが(なんとセンチメンタルなグラフティであることよ)、セル画調のキャラクターが浮きまくってて、違和感バリバリですよ。
ストーリーもねえ……。人間性を疑われることを承知で言うけど、「女のアタマで考えた中学生男子の心理だな」と。こんな話なら、真と早乙女君をはかなげな美形同士にしちゃえばいいのにと真剣に思う(ていうか今ググッたら早乙女君の声をあてたアイドル?がまさにこう、テニミュとかも務まりそうなイケメンだったんで笑ってしまった)。
ま、そこらへんは好みの問題だからいいとしても、とにかく全体構成が粗雑。「絵が描けないのに毎日美術部に行ってるの? 描きかけの作品をイーゼルに掛けて、でも全く筆を動かさない、とか周囲に不審に思われるだろ?」とか「母親の逆ネグレクト、あんな決定的な出来事があった後は描写無し? 毎朝毎晩、顔を合わせてるのに?」とか「いや○○、なんでアンタそんなこと唐突にカミングアウトしてんの!!? ていうか人間心理としてまず、今やろうとしたことの言い訳をするだろ?」とか「ものすごくわかりやすい『○○が○った』という『伏線』なのに、なんで真自身の意識はそれを拾わないの? ていうかそこで伏線無視しといて、その後の描写はやっぱりこれで、そして結末はやっぱりそれなの? それでいいの???」とか、ああもう。
最後に一言、「観てるこっちは死にそうだ」とスクリーンに返したくなった映画だった。