花咲くいろは#8,9

徹個人のケータイが掛からなくたって、結婚式場のフロントに電話を入れて呼び出しをお願いすればいい(あるいは「至急職場に電話を」とメッセージを託せばいい)話で、仲居の仕事をほっぽりだして緒花自ら行く理由が全く無い。控えめにいっても「緒花自らが行く理由が説明されていない」。なんつーか、「リアリティが無い」というレベルからさらに底が抜けて「アタマ使って書いてないのが透けて見える」になりつつある。

「徹はどこに行っていることにすればいいか?」、私なりに愚考してみた。

必須の条件は
1「居場所ははっきりしている」
2「拘束時間が3時間かそれ以上」
3「ケータイには出られない」

結婚式場はこの3条件をクリアするけど、

4「その会場は客の呼び出しに応じない」

でアウト。これを満たすのは映画館かコンサート会場だろう。
しかし、呼びに来た緒花が入れなければならないから、さらに条件5が加わる。

5「途中入場が可能」

映画館、コンサート会場はこれに当てはまらずアウト。……いやまて、コンサートでなくライブハウスなら途中入場もできるし、オールスタンディングなら人探しで中をうろつくこともできる。
とこんな具合でチョロチョロっと考えれば、徹が行っているのはライブハウスにしとけばいい、となる。そのうえで「でも徹がライブハウスとかキャラじゃないし、視聴者に一発で状況が伝わるのはやっぱり結婚式だろう」という意図をもって、不自然を承知で結婚式にするならいいんだけど、んー、そこまで考えてないよね。多分。

つーかさぁ、現地に着いたら着いたで、各披露宴の受付に個別に聞くよりまず式場(ホテル?)のフロントに行けって話だし、徹の名字覚えてないとか緒花バカすぎるし、それでなこちに電話して訊くのが「同級生の結婚式」って情報だけで、そこで聞いたか前から知ってたかはおいても、年齢だけ手がかりにまた聞いてまわるとか、いくらバカでもあり得ないだろ。

細かい描写でいうと、声もかけずに客室のふすまを開ける次郎丸なんてのはおもてなしとかひいき以前の問題行動。孝ちゃんの目的は「喜翠荘に泊まること」でなく「緒花に会うこと」なんだから別の旅館か金沢市街のビジネスホテルにでも泊まればいい。シリーズ構成という面でみても、ここでふくや旅館に徹さんを貸した件が伏線として生きないなら、あれはいったいなんだったんだという話になる。前々回にはイヤな客を追い払おうとしていた巴さんが「全てのお客様におもてなしを」と言い出す甚だしい違和感……。

毎度楽しみにしてるんだけど、こうも底抜けだといいかげん付いていけなくなりそうだ。

批判的なことばかりだとつまらないので、今回の重要な描写についてひとつ。孝ちゃんが見た駅の時刻表が「金沢方面」と「穴水方面」になっていた。そのため、喜翠荘(湯の鷺温泉)はやっぱり能登半島にあると判明。