ゾイドジェネシス#46「瓦解」感想

Youはショック! 愛でソラが落ちてくるぅ〜♪ な回。前回とは対照的に、メインキャラの描写は控えめな分、全編大スペクタクルな展開だった。
空を埋め尽くさんばかりのグイ軍団に、ここでまさかの初登場ザバット隊、強いのか弱いのかよくわからないデカルトドラゴンが繰り広げる空中戦は、スピード感こそイマイチだったものの、まぁとにかく大変なことになっていた。
そしてラスト、空のカムフラージュが炎上、剥離しながらのソラシティの墜落。もう一歩のところで落ち方・崩れ方が不自然だったが、単に構造物だけでなくひとつの世界と文化が崩壊したという描写として十分すぎるものだった。
また、これで今回搬出したリーオ弾が最後になってしまうわけで、最終回に向けてなお危機感を失わないのが巧い。

【ソラシティ】
体制は硬直化しているものの、バナ議長はジーンの叛意まで含めて現在の事態をしっかり把握していて、結果的にはプロメ部長が際立って無能だったという印象。つーかザイリン相手に「何も知らないのですね」などと小馬鹿にした態度を取る必要はないと思うのだが……。まぁ「このところジーン=ディガルド軍が調子付いている」という悪印象が前提にあって、でも実際に話してみるとおバカさんだったからあんな態度になったと解釈しておこう。
自動防衛システムの名称がちゃんと「エネルギーシールド」なのが驚いたが、「ちゃんと機能してますね」という台詞がなんとも。あの状況で機能しなかったらどうするつもりなんだよ、と(笑)。これはもちろんそういうツッコミ待ちなのだろう。
どうでもいいが、「ガイドラインに従って避難」という台詞、何か避難マニュアルでもあるものだと思っていたら文字通りの「案内線」だったので噴き出してしまった。

ゾイド
どうもリーオ弾(そういやメタルZiという呼称は結局ほとんど使われなかったな)ではない「バイオ装甲を一撃で倒せる対空迎撃装置」があるそうで。劇中での描写を見る限り、ザバットのレーザー砲もグイを難なく撃ち落としていたし、この際だからリーオ弾よりザバットを貸与してもらったほうがよかったような気がする。
それにしても、この土壇場でザバットが登場するとは……(でも今回限り・涙)。ハウンドソルジャー、カノンフォート、ヘビーライモスの登場にも期待できる?
ギルドラゴンジェネシス的には本来の役目である難民船として活躍する羽目に。脱出時、攻撃を受けたり体を傾けたりした際に、中で不安におののく難民の描写は欲しかったところ。今回の中破によって、今後も戦闘には参加できないのだろうか? イメージ映像では盛大に戦闘していただけに、何かしら武器も使って欲しいところだが……。
バイオゾイドに関しては「これだけの数のバイオゾイドの適合者などいるわけが無い」とさりげなく意味深な台詞。どうやらパイロット(土偶とか通称されてますが、一応ナンバーズという名称がある)は何者なのか? がきちんと説明されるようで。ゼルフトでの描写を見る限りでは一応は人間のはずだが、さて。

フェルミ
「これ以上好きにはさせんぞ!」「ふふっ、私は好きにやらせてもらうわぁ」とか、戦闘中にすれ違いざまに「フェルミ、お前もソラの市民ではないのか?」「気に入らないのよ、ソラもあなたたちも」とかの会話が、なんだかちょっと富野チック。結局、ソラシティに感じていた退屈さ・窮屈さが、いつしか激しい敵意になっていた、というのがジーンに与した動機だったのだろうか。