パシナは日本語…って元記事にはちゃんと書いてある

http://news.searchina.net/id/1555970
(「サーチナ」2015-01-05付)
「日本人は良いもの作る」・・・満鉄「あじあ号」を評価する中国メディア

上海市に拠点を置くインターネットメディアの澎湃新聞は4日「“超特急”あじあ号:80年前の中国最速の列車は日本人が作った」と題する記事を配信した。あじあ号の豪華さや性能を強調し、その後の新幹線建設のきっかけの1つにもなったと論じた。
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展望車や食堂車も詳しく紹介。メニューや食器類についても触れた。あじあ号の印象的な蒸気機関車「PASINA」の流線型の外観は当時の川西飛行機が風洞実験で空気抵抗を測定したと紹介。PASINAの最高時速は140キロメートルだが、軌道に震動が発生するため営業上の最高時速は130キロメートルだったことにも触れた。
(略)

おいおい、なんだって「PASINA」表記ですか。それはカナ表記で「パシナ」で正しいのよ。車軸配置パシフィックのな番目(第7形式)を意味する日本語なんだから。

あじあ号」のほうは「亜細亜」とも「アジア」とも、はたまた「ASIA」ともせずにちゃんと平仮名表記にしているから、翻訳に当たって少なくともウィキぺ程度の資料には目を通しただろうに、どうして「PASINA」なんて書いてしまったのか理解に苦しむ。

ていうか、気になって元の「澎湃新聞」の記事、「“超特急”亜細亜号:80年前中国最快的火車是日本人造的」(http://www.thepaper.cn/baidu.jsp?contid=1288861)に当たってみたら……。

「PASHINA(PASHI是日語“太平洋”的音訳縮写,NA意為第7型)」

ってちゃんと解説してあるやん(元は簡体字)。「太平洋を縮めた」ではちょっと意味がずれているけど「先輪2軸、動輪3軸、従輪1軸(2C1)の車軸配置のアメリカ式呼称・パシフィックを縮めた」ではかえって意味が分からないからこれでいいのだろう。

いずれにしても、元記事にまでこう書いてあるのだから(ついでにいうと H が入ってる)日本語の呼称だとわかりそうなもので、いやはや一体どうしてサーチナは「PASINA」と書いたのだろうか?

ところで元記事、なかなかボリュームがあって内容はしっかりしているのだけれど、画像はウィキペディアからの無断転載で出典も明記しておらず、やはり〜といっては失礼だけどあまりお行儀がよろしくないのでした。

ついでに「PASHISHI(太平洋-3型)」はちょっと惜しい。「パシシ」はパシフィックの番目だ(3番目は「パシサ」)。日本語って難しいな!