カタカナ言葉の文字数に無神経になっていないか?

『ラッシュ』という映画の字幕に「油冷却器」が出てきて、おいおいそれは日本でも「オイルクーラー」って言うだろと思ったのだが、考えるに文字数の都合なのだろう。「オイルクーラー」では7文字だが「油冷却器」なら4文字だ。

だが、どうも世の中全体的にカタカナ言葉の文字数に無神経になっている気がする。というか、外来語をそのままカタカナ表記にして良しとする傾向がある。

4作目の情報もチラホラ公開され始めた『トランスフォーマー』、ベイ版映画の日本公開以前は OPTIMUSPRIME は「オプティマスプライム」でなく「コンボイ」だったのは、単に「日本上陸時には『ダイアクロン』でコンボイとして認知されていたから」ではないはずだ。10文字と4文字の差は大きい。

ダイアクロン』といえば成井紀郎のマンガ版だが、成井は「ダイアバトルス」の7文字すら長過ぎると「ダイバトル」(5文字)に改名していた。その頃を思うと今はホント、だらしないカタカナ語が多い。

もちろん、スマートフォン(7文字)に対するスマホ(3文字)など、慣用のうちに定着する略語は今もあるが、逆に言えばこれも smartphone はそのまま「スマートフォン」だということだ。メーカーなりキャリアなり、何かしらの団体なりが公式に、簡潔な呼び名を付けたという話は寡聞にして知らない。

日本人はいつからカタカナ言葉の文字数に対してかくも無神経になったのだろう? 先日もちょっと触れたとおりこのところ教育政策の動向を追っているのだが、そこでしばしばだらしなく伸びきったカタカナ言葉に出くわす。

以前記事にしたこれとか。

略してJD
ジョイント・ディグリーの認知度だの何だのを知りたくて「JD」で検索したら「女子大生」を意味するものばかりがヒットした。無関係ではない、むしろ密接なつながりがあるのに何故だろう、ものすごく距離を感じる。

それにしても、「連名学位」という簡潔かつわかりやすい表記があるのに何故に「ジョイント・ディグリー」なんて意味不明で11文字もあるカタカナ言葉を使うのか。長過ぎる、といって「JD」に略せば既に書いたとおり別の意味に取られかねないのだ。

http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20131229#p1

文字数は1減にしかならないがこんな例もあった↓

日本の研究開発機関をイノベーションハブにするには
……まずそれらを日本語で表現するところから始めてはどうか。「イノベーションハブ」って、それ「科学技術革新の拠点」と言ってはダメなのか? 本文から「結節点」という語も採れる。なのに何故「ハブ」?

http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20131024

カタカナ言葉に対する抵抗感が弱まった、というだけでなく、紙媒体に比べて文字数の制限が緩いデジタル化の進展も背景にあると思うのだが、そこらへん誰か専門家が研究していないだろうか。