ガンダムビルドファイターズ#25(最終回)

文句無しの最終回……文芸面のクオリティの低さから目を逸らせば、だが。つってもまぁストーリーはほぼ無かったし、無い物に文句は付けらんないよね。

なんてぇ皮肉はさておいて、ガンプラ好き・メカアクション好きの目で見れば本当に文句無しで、クロスボーン魔王とかマスターガンダムとかグフR35とか、「Gガン」世界でも通用しそうな合体攻撃とか、パーフェクトガンダムとか、出てくるたびにうひゃうひゃ笑って手ぇ叩いて喜んでました。ビルドブースターMk.IIを背負ったビルドストライクなどは、決死の総力戦の描写かつプラモ的な描写で、この作品の最後に行き着いた主役メカの姿に相応しいものでしょう。作画のクオリティも無茶に凄かった。

この半年は人生で最もガンプラを作った時期なのは間違いないし(大した数でも質でもないが私個人としてね)、エイプリルフールのウソという形で半ばオープンにされた続編にも素直に期待しています。

……それでもね。

文芸面のクオリティの低さ……設定の不整合やシリーズ構成のバランスの悪さはなんとかならなかったのか? と文句もやっぱり山ほどあるのよ。

バンダイとPPSE社って全く無関係だったの!?」とか(自社製の「プラフスキー粒子で動くロボットのプラモデル」を製造・販売できるならもっと早い段階でオリジナルコンテンツで展開してただろ)、「やっぱりマシタのこと知らないのかレイジ」とか「アリアンに戻っても堅気の商売人が務まるならレイジを避ける意味無かったじゃねーかマシタ」とか。しつこいと言われそうだが敵ボスの動機や目的、そして処遇ってすげぇ重要なことでしょ。

それと、2クールで一本の作品として見ると、根幹にある問題を先延ばしし過ぎてかなりダレちゃった感が強い。レイジが消えたのって第2話で、3話以後は全くと言っていいほど言及も描写も無かったのに、マシタが消えるのを見て唐突に思い出されてもね。その3話でアリアンの説明があって、終盤になっても不自然なまでにその話を信じていなかったのに、ここに至っていきなりレイジが消える心配をするというのもなんだかなーという感じ。どこかの段階で「セイは本当はアリアンの王子という説明を信じている」と匂わすべきだったし、もっといえばどこかの段階で「別離の不安」を誰かゲストキャラでも使って描いておくべきだった。2クールもあったんだから、それくらいは寄り道にもならないだろう。

セイの操縦下手の理由も、サザキのことを「ガンプラを乱暴に扱うから」という理由で嫌っていたことと呼応してるけど、これも第1話の台詞だからやっぱり「今さら」感がある。世界大会の段階で一度、セイの対極に位置するような「自機のガンプラを駒としか考えず一戦で使い捨てる勢いで乱暴に扱うが実力は本物のファイター」を描くべきだったろう。方向性としてはアイラがそんな感じだったけど、彼女はそれ以外の設定のほうが重かったからね。

新作はあれもこれもと設定を詰め込まず、もっとスッキリと「ガンプラ作りは楽しい」「ガンプラはどんな自由な発想で作ってもいいんだ」、そして「そのガンプラを動かして戦わすことができたらもっと楽しい」だけの話にしてはどうかと思います。