もしJリーグがなかったら

主題はもちろんサッカーの話なのだが、歴史改変SF的な面白みのある記事。

Jリーグに求められる“創成期の精神”
金子 達仁 | スポーツライターFC琉球スーパーバイザー
2013年5月14日 12時3分
(略)
もしJリーグがなかったら、たとえばソフトバンク・ホークスは、北海道日本ハム・ファイターズは生まれていなかったかもしれない。Jリーグが打ち出した地域密着の思想は、ナベツネ氏を初めとする一部の強硬な反発を招いたが、最後までそうした圧力に屈しなかったことで、日本のスポーツには新しい可能性が生まれた。

もしJリーグがなかったら、一般的な日本人にとっての外国は依然としてアメリカだけだったかもしれない。数あるスポーツの中で、唯一といっていいほどアメリカのバイアスがかかっていないサッカーが浸透したことで、それまでの日本にとってほとんど未知の存在と言ってもいいほどだったヨーロッパへの興味は一気に増した。わたしがスペインへの留学を決断した約20年前、最も多かったのは「なんで?」という反応だったが、いまやヨーロッパへサッカーを見るために留学する日本人は少しも珍しくない。この変化の大きさには、いささか度肝を抜かれるほどだ。

もしJリーグがなかったら、日本人にとっての日の丸、君が代のイメージはまた違ったものになっていたかもしれない。80年代から90年代の前半ぐらいまでは、代表戦の国歌吹奏の際、君が代が流れる番になるとわざと座り込んでボイコットの意を表す記者が珍しくなかった。が、Jリーグの発足と、それに伴う日本代表人気の上昇によって、そうした姿は見られなくなった。

もしJリーグがなかったら、これはいささか小さなことだが、わたしにとっては馴染みの深いスポーツ・マスコミの世界も、まったく違うものになっていただろう。野球と大相撲だけがプロ・スポーツだった時代、スポーツを伝えるのはテレビでありラジオであり新聞であり、伝え手は元名選手か社員だった。「スポーツライター」と名乗っていたのは、玉木正之さんか二宮清純さん、それにいまは亡き山際淳司さんぐらいだった。間違いなく言えるのは、Jリーグ、サッカー人気の上昇がなければ、わたしを含め、ほとんどのスポーツライターのいまはなかった、ということである。

もしJリーグがなかったら──。
日本は、ずいぶんと違う日本になっていた。
(略)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kanekotatsuhito/20130514-00024942/

ホークスのくだりは明らかな事実誤認で色んな人からツッコミが入ってますが、まぁそれはさておき。
歴史改変SF的な面白みがあって、しかしそこに微妙なデジャヴを感じて、何だったっけかなぁ? としばし考えて思い出す。

あれだ、「最狂超プロレスファン烈伝」だ。力道山木村政彦に負けてしまったため、プロレスが存在せずその代わりにプロ柔道が人気を集めている並行世界だ。