週刊少年チャンピオン#39

「鬼さんコチラ」 話そのものは面白くなりそうなんだが、絵柄があまりに個性的過ぎて、読まずに敬遠する読者が多そうだ。
侵略!イカ娘 時事ネタというかズレてるというか、今年は結局高値のままウナギのシーズンは終わったのか? 「つかめないでゲソー!!」「どこまでいくんだよ!!」「ウナギに聞いてくれゲソー!!」とは言わなかった。
「囚人リク」 「バチバチ」との表現の違いが面白い。どちらも並外れて絵が巧く、どちらも同じような意地の張り合いの力相撲なのに、全く違って見える。
いきいきごんぼ つい最近似たようなシチュを観た気がした。あれだ、「坂道のアポロン」だ。
空が灰色だから 「弟なんてやっぱり実在しませんでした」で最後まで引っ張ってくれたほうがむしろ救いがあるという……。リアル弟は話とはかなり違ってます、ではなくて、途中で「私に弟なんて いない」というモノローグが入るのがヘビー過ぎる。ラスト間際のアクセントとして、「自意識では自分の顔まで偽っている」というひとコマを入れるのがこの作者の凄いところだ。
毎度!浦安鉄筋家族 なんてひどいオチ(笑)。今回は第90話とそれなりに切りのいい数字だから、決着が付かないまま終わって、続きは第180話とかそういう話かと思ったよ。
名探偵マーニー んー。「暗号のようなダイイングメッセージ」→「実はものすごくくだらない内容だった」→「だけど当人にはとても大切なものだった、とイイ話で締め」……という流れで話を組むことを予め決めておいて、そこに強引に謎解きをはめた感じ。いろいろとかなり無理矢理だ。
p2701コマ目で起動したパソコンのディスプレイと、5コマ目・p271の3コマ目のディスプレイのデザインが違っているのは、読者を騙す叙述トリックかと思ったが、ただの描き間違いのようだ。
シュガーレス 言ってしまえば不良少年たちがひたすら殴りあうだけのマンガ。ただ、愛とか友情とか義理とか人情とかいった古臭い(トラディショナルな)価値観のために殴り合うのではなく、登場人物はそれぞれ独特の(奇妙な)「哲学」に基づいて、ある意味とても純粋な気持ちで殴り合っている。だから新鮮かつスタイリッシュ、というのがこのマンガの魅力なわけですよ。
「不良少年たちがひたすら殴りあうだけのマンガ」が数々あった『チャンピオン』だから、こういう新世代も生まれ、育ってこれた。
だけど、TVドラマが「ひたすら殴りあうだけ」で話を成立させた前例はまずないはずで、未だに愛とか友情とかが幅を利かせている。そんな文化圏に「シュガーレス」を持っていっても面白くないんじゃないの? と疑っています。
ていうか、TVドラマ製作者には「シュガーレス」はもったいない。連中、どうせ「TVドラマとしての面白さ」を目指すとか言い出して、追加設定だのプロット変更だのを散々やらかして、元の持ち味をまったく生かしていない珍品にしてしまいそうだ。過去のマンガ原作ドラマの大多数がそうであったように。
この号での続報、「ドラマオリジナルの女性キャラが登場!?」というあたりでいよいよ「ああ、こりゃダメだ…」という絶望的な気分になってます。