最近読んだマンガ

えーと。表紙のみなさんは一体どなた様ですか?

というわけで「小学館からのまさかのほぼ完全復刻!」ですよ、「県立地球防衛軍」。いやホント、復刻されることはあってもまさか小学館からだとは全く思っていなかった。「描き下ろし新作16P掲載」と言うけどそれよりむしろ「ファミコン通信」に掲載された奴を載せてほしいです。カラーで。

復刻されるという話を聞いたときは、サイズを大きくしてページ数を増やして単価を上げて巻数は減らす、というパターンを想像していたのですが、何故かサイズは通常の少年サンデーコミックスと同じ。ページ数も目立って多いわけでなく、値段は457円+消費税。逆に、特別扱いされている感じです。

読み進める途中で、「あれ? これ本当に完全復刻?」と引っかかるところがあったのですが、そういえば元の単行本から飛ばされている話がありました。2巻以降に収められたからそこらへん記憶が薄らいでるな。p142にいきなり食通がいたり、p150であき子が「やっぱり男は筋肉質!!」と言っていたり、不自然な部分が生じているのですがどうしてその二話(食通登場回、まっする日本登場回)を飛ばしたんだか。

「描き下ろし新作」は、絵柄は変わったなりに可愛げはあるし、ノリもまぁいつもの安永航一郎でオカシいんですが……。これ、描き下ろしっていうか未発表原稿じゃね?という気が。アップの顔に集中線で「強いられちゃうぜっ」とか「御神木を薬で枯らして売り飛ばす」とか、ネタが全体的に2年くらい古い。

こんなのも単行本化されるのか…。ジャンプ系はいいなー。

ほったゆみが用意した脚本を、マンガを描いたことのないアマチュアがコママンガに割る、という「コマ割」チャレンジマンガ。ひとつの脚本から実に多種多様なコマ割が生まれることに驚かされます。あまり絵が巧くない、というかほとんど記号しか描けない人の作品でもコマ割のセンスは目が引く、というケースも少なくない。

ちなみに私はこれの逆……、逆とはちょっと違いますが、「コマ割されたマンガを一枚絵の連続にする」という作業を何度かやっています。単行本化の見込みの無い作品をただスキャンするだけでは飽きたらず、PC上のスライドショーで見られるように、トリミングしてサイズを調整したんですな。これが予想以上に面白く、カメラワークとか、読者の視線をどう誘導するかとか、マンガの技法が色々と見えてきました。単純に切り取るだけでなく、三段ヌキのコマなどは「上半分」「下半分」「全体」の3枚に分割するといった小細工もしたりして、作業も存外楽しいものです(つってもまぁ、やっぱりめんどくさいので最近はスキャンしてほったらかしですが)。

オビに大々的に「岡田斗司夫 庵野秀明 アニメ史に残る偉業が動き出す…!!」と書いてあるとおり、9割近くがDAICON3 オープニングアニメの話で占められた巻。しかし、島本…じゃなくてホノオも後にデビュー作となるであろう作品のネームに取りかかっており、こちらもいよいよという感じ。「リングにかけろ」に言及する中で、ジーザス・クライストの「ネオ・バイブル」の模写をバックに「こっち方面ではもう…誰も勝てん!」とこぼしてますが、そこから「国電パンチ」だの「殺虫パンチ」だのの方面に向かうわけだ。値段への不満はあるが、まぁ元が面白い映画だしマンガとしてもよくできてます。2巻は記憶を取り戻したほむほむがベベを吊し上げるところから、「まどかぁぁぁぁ」まで(それではどこかわかりません)。「ここにはそもそも有り得ないはずの存在が三ついる」、と言って、最も有り得ない存在であるまどかから目を逸らしている場面は、哀しいといえば哀しいけどちょっと笑っちゃうよね。