ドラマの中の成城

先日、観るとはなしに『少年ジェット』を観ていたら、踏切が映った。鉄道が出てくるとなれば場所を特定したくなるのがマニアの性分というもの。とはいえ、白黒TVの時代(1959年=昭和34年)の番組、踏切にしてもそれなりの幅の道路なのに遮断機が無いくらいの昔だから、さすがに見当がつかない……と思っていたら。
「"黒い影"は成城方面に逃走し〜」
という台詞があって、あっさり判明。なるほどそのつもりで観ていると、並木道のある住宅街の風情などに、確かに成城だと思わせるものがあります。となると踏切は、駅の西側にあったものでしょう。しかし、小田急線の列車が16メートル級の車両(多分)の3両編成だったりして、いや全く隔世の感がありますな。
先日ファミリー劇場での放映が終わった(そしてGWに一挙放映をしている)『ウルトラマンレオ』にも成城の街はしばしば登場(特に円盤生物編ではほぼ毎回、富士見橋西の橋の周辺が映る)、またこのブログでも取り上げたように『超星神グランセイザー』第1話は仙川あたりで撮られていました。
はからずも、50年代末・70年代半ば・2000年代前半という3時代の成城を続けてみることになって、ちょっと不思議な気分。
ただそれにしても、東宝制作のグランセイザー円谷プロウルトラマンレオは近くにスタジオがあるからわかるのですが、『少年ジェット』は大映テレビ室製作とのこと。大映の撮影所は調布にあった(今もあるらしい)という話ですから、何故に成城なのか今ひとつ解せない話です。
それとも台詞で成城と言っているだけで、撮影場所は調布なのか?


(以下、5月6日補足)
5月5日早朝にふたたび放送されたので、今度は録画して見てみた。回は第3話、「第1部 黒い影」の3話目。
中盤で踏切が映るシーン、踏切の向こうの右手側に「砧公益質屋」という看板がある。そこで「砧公益質屋」でググると、『チャンピオン太』の第3話にも映っている砧8丁目の踏切だとのこと。
http://www.ultraloc.org/locations/kinuta8_koukasita/index.html
登戸にある多摩川の水門(多分)を眺めて一休みした少年ジェット、その後に通りがかるのは「成城の竹やぶ付近」。台詞は正しくは「シェーン(=相棒の名犬)が成城の竹やぶ付近でちょっと嗅ぎつけたらしいんですが、とうとうジェームスの隠れ家は発見できませんでした」でした。
少年ジェットの師匠、船越探偵の事務所の傍らには「13t LOAD LIMIT」の標識が掲げられた木橋。地理的に考えて仙川の……って、あれ? ひょっとして後年「グランセイザー」や「ジャスティライザー」でさんざん映る東宝日曜大工センターの北側か? いや、それにしてはちょっと道幅があるので、たぶんもう一本北の橋だと思われます。
その後、少年ジェットが鉄道線との立体交差を渡っていくシーンが1カットだけありますが、これは明らかに富士見橋西の橋! まさかこの25年後にオオトリ・ゲンことウルトラマンレオがこの地に下宿することになるとは、さすがの少年ジェットも予想していなかったでしょう。

ゲンは円盤生物編では、この画面左手側にある美山家にお世話になっている。

そしてこれが「少年ジェット」の1シーン。後年、金網が追加されているが橋自体はそのままだとわかる。

そして踏切を渡る少年ジェット。先刻映った踏切と並木道の雰囲気などは良く似ていて、同じ場所を反対側から撮ったようにも見えますが判然とせず。



てな感じで、50年前とは風景はもちろん一変しているのですが、それでも案外と場所が特定できることにちょっと驚かされました。