/神田武幸作品のこと

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でもって、『蒼き流星SPTレイズナー』のリアルと「主役メカ・レイズナー」の非リアルとのギャップをつぶさに検討すれば、そこからさらに『機甲戦記ドラグナー』は何が失敗だったかも見えてくると思う。のだけれど、まぁいいやドラグナーあんまり観てないし、今後も観る気にならないし。
銀河漂流バイファム』の後半や『機動戦士ガンダム第08MS小隊』の前半なども含めて、どうも神田武幸監督作品に描かれる「戦場の若者」像って受け付けないのよね。どいつもこいつも逆説的なキチ○イ(平時の感覚のまま戦場を生きられる狂人)で。
で、「08小隊」の後半、飯田馬之介監督部分は、そういう神田監督の作風に対する当てこすり、イヤミ、嫌がらせなんだろうな、と思っている。昔、某掲示板では「前半のファンタジーの要素にリアルな落とし前を付けた」なんてマイルドな書き方したけど(苦笑)、ヌルいゲリラ連中を「お前ら戦争なめ過ぎ」と言わんばかりに全滅させる話が飯田監督シリーズの事実上の開幕だったし。
クライマックスも実に手厳しい。主人公はそこで「部下に向かって『お前ら捨てて俺はオンナのとこ行くから』と宣言して敵前逃亡をはかる隊長」というダメダメな男になり果てているのだ。これはフニャけた『ロミオとジュリエット』路線と、「戦争もの」との整合を保つための選択とみる。「戦場で敵味方でロミジュリごっこをやるということは、このくらい無理があって無様なことなんだよ」と示してみせたことに、私は拍手喝采だった。
逆に「後半はダメだ」と評する向きは、その毒のキツさに耐えられないのだと思っていたのだが……。

前半で顕著に見られる「泥臭い戦闘」で幕を開けたのだが、途中神田武幸監督が逝去。
(中略)
飯田馬之介を抜擢。故・神田監督のプロットを引き継ぎつつ、シローとアイナの関係を中心とした作風へと転換していった。

…。
……。
…………なにか別の作品を観ていたのだろうか、私は?