伝説巨神イデオン#32,33

#32、モエラ死す。それまで目立たなかったキャラに急にスポットが当たると、しかも色恋沙汰だったりすると、それはすなわち死を意味する!! の顕著な例だった。この回以外でモエラが印象に残っているのって、何話か前に「地球なんて見捨てればいい」と言ってたことくらいだよ。でも今回は特に、地球軍にいいように使われることについて何も言わないのね……。
ムサッシの同型艦ゴーリキー? これはどういう命名ルールなんだろう。
 
#33、かっこいいぞギジェ(笑)。思うにギジェという人物の面白さは――さんざん語り尽くされたことと思うが――やはり自己欺瞞だと思う。ただ「情けないライバル」というだけなら、それこそバーン・バニングス、ギャブレット・ギャブレー、ジェリド・メサ、監督は違うけどイプシロンにハイ・シャルタットと枚挙にいとまは無いけれど、ああまで自分自身を騙しきったという情けなさは、他の誰にも見られない。
だって、ふた言目には「イデの何たるかを知りたいがため」だけど、その目的があってバッフクランを裏切ったわけではなく、味方に捨てられ月に置き去りにされて行く宛を失い、さりとて自害もできず、仕方がないからソロシップに乗り込んだってだけでしょ、この人。
大体、バッフクラン〜オーメ財団にいた頃のこの人にとってイデオンは、単純に「捕獲すべき敵」であって、イデに対してひと一倍興味をもっていたようにはみえなかったし。
「失敗を重ねて…」とか「生き恥」とかなら自ら言及するけども、「ただ命惜しさで敵の元に駆け込んだだけ」という一線は譲れない。そこで「イデの何たるか」を都合のいい言い訳にして、自分の今ある境遇を正当化してしまう。
そして結局、その自己欺瞞に飲み込まれてしまって(つーか流されてしまって)、#33でバッフクランに戻る機会を得ても、ソロシップを選んでしまう。このあたりが、やはりこの人の魅力であり、ある意味『伝説巨神イデオン』という作品を象徴する存在とさえいえましょう。
私も人生で一度くらいは、コイントスで味方か裏切り者か判断される機会を得たいものだ(笑)