ゾイドジェネシス

演出としてクレジットされている西村大樹のブログ(あえてリンクは張りません)に、あれやこれやと不安をかきたてることばかりが書かれていた、ある意味問題作。しかし蓋を開ければ、ところどころ動きの無さが目に付いたくらいで、ごくふつうに出来上がっていた。つーかそもそも、放映後の打ち明け話ならまだしも、まだ放映されていない作品について、製作体制のゴタゴタをああまで書くのはプロとして問題があるのでは? いやまぁ「くだんのプロデューサーとは4人のうち誰なんだろう?」とかいう楽しみももらったワケだけど。

1話限りとなるであろう演出(とクレジットされている人)の話はさておいて、気になったことを箇条書きに。

テーマソング】 事前に爆撃機乗りの歌だときいていたので、聞いているうちに鬱々とした気分になってしまった。♪また会いましょう、どことも知らず、いつともわからないけれど でもいつかまた晴れた日に会いましょう(←これは違う)。既発のアルバム曲の流用だそうですが、いや良い歌です。

オープニング映像】 第1話未登場含めてメインキャラとゾイドの紹介。こりゃまた、キャラ立てがそれぞれ明確というかわかりやすいというかですな。まあそのくらいで丁度いいよね。竹やぶ背負ったパンダに乗るのは「キザ(確度78%の予想)なインテリ(確度98%)の作戦参謀(確度86%)で、女とみれば口説くのが珠にきず(確度60%)」という眼鏡の兄ちゃんですか。あれ? ブラストルタイガーは……?

世界観】 「突然の地軸移動による大変動」は勘弁してほしいが(惑星直列やグランドクロスと違って実際にはそうは起きないからなかなか笑い話にならないんだよな)、まあとにかく文明が滅びた、と既存の設定はリセット。かつ、いざとなったら再版「発掘」可能に(笑)。どうでもいいが、砂浜もあるような海岸なのにいきなり深くなり過ぎだな。

主人公】 ルージ君は近年のアニメには珍しく良識のある少年。こういうのが珍しいってのは困りものだ(苦笑)。「イヤボーンの法則」の亜種というか、危機に陥ったときいきなりムラサメライガーを操縦できてしまう。しかしそこに至るまでに、これまでゾイドに乗れなかったこと、ゾイドが操縦者を選ぶことを明らかにしていたし、乗り込むのも「キャノピーを閉じようとしていたらコケた」だったために、違和感なく話が流れてくれた。巧いうまい。

ヒロイン】 ファーストカットでいきなり全裸を披露するは、幸福そうな表情で魚の頭にかぶりつくは、危機の接近にいち早く対処するはでツカミは強烈。ただ、オープニングで乗機が明らかになっているから「他にも仲間がいたのか!?」での引きはちょっと白け気味。

ゾイド】 やぐらを載せたトータスという生活感あふれるゾイドの描写は上山版のマンガ以来? ムラサメソードでの一刀両断はいかにも必殺技らしいが、バトル描写にもうちょっと時間を割いてくれて欲しかったとも思う。

前作「フューザーズ」がああだったので、その分評価が上方修正されていますが、これは今後も期待できそう。3月23日付で制作デスクの求人をアップしていたりと、製作体制はやはり大変そうですが、そのあたりなんとか立て直して欲しいものです。