「究極超人あ〜る」と鉄道

♪言い出せなくて 飯田線のバラード〜 も有名な、アニメ版「究極超人あ〜る」である。アニメは割とどうでもいい扱いの『鉄道データファイル』誌といえど、40号の「飯田線 豊橋〜辰野」を紹介する記事では「あ〜る」にふれないわけにはいかなかった。といっても、まぁ「漫画が取り持つ田切の縁」と題された、ほんの小さな囲み記事だけではある。しかし「1980年代にコミックが発売され、`90年代初頭にアニメ化された「究極超人あ〜る」のストーリー上で、この田切駅が重要な役割を果たす」とわざわざ書くあたり、「飯田線はマンガ版には出てこない、出てくるのはアニメ版」と、ちゃんとわかっているのであろう。
このアニメ版「究極超人あ〜る」におけるディープな鉄道描写は、実は飯田線だけではない。物語序盤で主人公たちが乗る185系「踊り子」号の描写にも、地味ながらツボを心得たところがある。185系、それは国鉄〜JR史上最も貧乏くさい特急型電車。デビュー当時は派手な塗装パターンが話題になったが、皮一枚の下の実体は実に惨めなものだった。なんせ、特急型でありながら通勤時間帯には普通列車にも使うことを前提にしていたのだから。『鉄道データファイル』誌18号の「185系特急型電車」の記事ではほとんどふれていないが、デビュー当時の国鉄財政は末期的で、そういう状況が反映された結果でもある。さて、「あ〜る」に描かれた185系なのだが……。(続く)

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あいにくとアニメソフトは所有していないので代わりにイメージアルバム「究極超人あ〜る」。山本正之の音楽や主だったキャストなど、アニメ版の骨格はCDの時点でほぼ完成していた。故・塩沢兼人のとぼけた演技があ〜る君のイメージにぴったり。2枚目のアルバムでは二枚目悪役状態の演技まで聞ける。CDの右下、色地の部分が、本文で触れた「漫画が取り持つ田切の縁」の囲み記事。