VTOLはビートルかブイトールか

「未完の計画機2」でひとつ気になったのが、VTOLのふりがな。

未完の計画機 2 (VTOL機の墓標)

未完の計画機 2 (VTOL機の墓標)

この本、Ospreyを「オスプレイ」でなく「オスプリー」と書くなど原語に近い表記を心掛けているのに、VTOLには「ヴイトール」とフリガナを振っているのだ。
http://ejje.weblio.jp/content/vtol
weblio英和辞典で発音記号を見ると、" víːtɔːl " もしくは " víːtɔl " 。これをカナに起こせば「ヴィートール」「ヴィートル」だし、音声を再生してもやはりそう聞こえる。なのになぜ「未完の計画機2」は「ヴイトール」としたのか?
マァどっちにしても、英語の"VTOL"と日本語の「ブイール」ではアクセントが異なるし、そもそも「V」一文字でも "víː" なのに「ブイ」だったりするわけで、これは正誤の問題でなく「なぜ日本語表記はブイトール(ヴイトール)で定着したのか?」という興味。
というか、日本語表記(発音)はブイトールだけではなかったのだ。
ウルトラマン』第3話ではビートル機が「ブイトール」と呼ばれており、つまり「ビートル=VTOL」といえる。(http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20100427
また、映画『クラッシャージョウ』では「ビトール」と発音している台詞が確認できる。 (http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20130704
このような、「ビートル」または「ビトール」という表記・発音は他にもあったのではないか? …という興味に行き着いてぼちぼち探っているが、これがなかなか難しい。航空専門誌だと「VTOL」としか書かれておらず、読み仮名は振られていない。一般誌紙では何号のどこに記事が載っているのかあたりをつけるのが難しい(大宅文庫でざっくり探った範囲では読み仮名は見つけられなかった)。

そういう点で、きちんと読み仮名をふっている「未完の計画機2」はイレギュラーであり、有り難いのだった。