軍事用語は割といいかげん

F-4EJ改の表紙と特集に惹かれて購入した『Jウイング』誌。

ファントム特集のみならず、巻頭特集「軍用機の常識2016」も良かった。「マルチロールファイター」でなく「戦闘攻撃機」で見出しを立てて、本文では「『戦闘爆撃機』とも呼ばれるが、同じものである」と書いているあたりが(でもキャプションは編集部マターだからか「多用途戦闘機」が混在してる。それ本文に出てこないよ?)。
http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20140214
「エア・ドミナンス」という言葉も「制空権(エア・スペリオリティ)の獲得と維持、今日の用語でいえば航空支配(エア・ドミナンス)」という書き方をしていて、細部へのこだわりが感じられる。ここらへんの用語って軍やメーカーが宣伝用に新しく作ってる側面があるから、こうしたズバッと明確な説明は気持ちいいです。

「A-18の開発は止めます、これからはF-18でなくF/A-18、ただの戦闘機でなくマルチロールファイターって呼んでね!」「いやそれって戦闘爆撃機だよね? ファントムも大体そんな感じだったよね?」
とか、
F-22ラプターは超強い! もう今までのエア・スペリオリティ・ファイターなんて言葉じゃ追いつかない! これからはエア・ドミナンス・ファイターって呼んでね!」「いやそれってつまり制空戦闘機だよね?」てな感じ。

そうそう、『未完の計画機』の続編『人類の夢VTOL』(仮)も製作中だそうで、こちらも楽しみ。仮題から察するに、軍の要求や構想だけでなく民生用の分野、ロートダインは日航も導入を検討していたなんて話にも踏み込んでくれそう。
http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20120210#p2