レアと佳作とデラックス

トレーディングカードやそれを源流とするゲームのせいで、「レア」には希少感が感じられなくなっている。

例えば「妖怪百姫たん!」では N(ノーマル)<R(レア)<SR(スーパーレア)<SSR(超スーパーレア?)<UR(ウルトラレア)<ExR(エクストラレア?)<極(きわみ)の序列で、レアは下から2番目だ。

これと似ていると思うのが「佳作」。小学生のときの習字とか、それに限らずコンクールとかだと、佳作<優秀賞<最優秀賞<特選 みたいな感じで「ぎりぎり入賞」ぽい扱いになっている。だけど、本来は結構な誉め言葉だよねえ? コンクールと無関係な文脈で「佳作」と言えばそれはかなりの評価だし、あるいは「佳人薄命」「美味絶佳」といった熟語においては「佳」は非常に高い評価となる。序列の枠組みが形成される中で、相対的に地位を落としてしまっているのが面白い。

そういや私には実感としては知らないが、60年代後半あたりのことだったかな、それまでに自動車のグレードなどで「デラックス」を乱発し過ぎたため、デラックスはかえって安っぽいイメージをまとうようになったという。これもグレード下位のほうがデラックスで、スーパーデラックスとかウルトラデラックスとかが上に積み上げられるという「レア」と同様の現象があったんじゃないかね(要確認)。