文京区・月の湯

5月5日、コミティアは12時半にならないくらいの時間で切り上げて、文京区にある銭湯、「月の湯」の見学会に向かう。
https://www.facebook.com/bunkyo.youth/photos/a.278863382210585.60140.161650503931874/807575809339337/?type=1&theater
国際展示場からりんかい線有楽町線と乗り継いで護国寺から現地に向かうルートを取ったので…。

こんな時代がかった守衛室の前を通りがかったり(「東京大学総合教育研究施設」の正門、ただし敷地は更地になっていた)……。


こんな看板の前を通りがかったりした。「子供を交通戦争から守ろう」という文言に時代を感じる。「高速インター」=「護国寺出入口」の供用開始は1969年6月で、この看板は70年代前半に設置されたものか? ざっくりググったところ「太信商事」は今も盛業中のようだ。
 
さて本題は「月の湯」。


「昭和2年創業、現存する銭湯で都内最古の木造建築といわれる『月の湯』」……と上記リンク先のチラシには書かれているが、トークショーでの町田忍氏の話では「都内最古ではない、"現役で"都内最古でもない」とかナンとか。マァどうあれ非常に古く、かつ典型的な宮造りの木造建築の銭湯であることに違いはない。

トークショーの冒頭でのご主人のお話では、3.11東日本大震災で建物が歪む被害を受けてしまい、なんとか保たせているものの、いつ建材の落下事故が起こるか分からない状態のため、5月一杯で廃業するとのこと。事情が事情のため、単に銭湯として廃業するだけでなく建物の取り壊しも既に決めているそうだ。天災にはかなうべくもないとはいえ何とも残念。マァ取り壊しの前に訪ねることが出来て幸運、と思っておこう。

下駄箱。

体重計。銭湯や温泉によくあるタイプ…といいたいところだが、昨今は家庭向けのいわゆるヘルスメーターに取って代わられているという印象。

単位がkgだけでなく貫目でも表示されている。

柱時計。振り子部分に「月の湯さん江」「○○会」という文字が見て取れる。

電飾とも思われる広告と格子天井。

浴室のペンキ絵。男湯側はオーソドックスに富士山だが…。

女湯側は「大歩危」、これはちょっと珍しいのではないか。

開業以来であろうタイル絵は「鯉の滝登り」。

浴槽の傍らにある(ハイドロ・マッサージ)の解説。街中でよくある「○○だ!○を消せ!」と同様、強調したくて赤くした文字が退色して読めなくなり、肝心の部分が意味不明になっている。「20世紀が生んだ」というレトロフレーズが好ましいが、銭湯のハイドロ・マッサージ=気泡湯といえば、どんなに古くても1970年代より前ではないだろう。逆にいうとその頃に「20世紀が生んだ」というフレーズを使っていることに興味を覚える。