最近観たTV番組

テンカイナイト
第2クールの締め、ヴィクリプス軍の地球侵攻そして最終決戦で盛り上がるはずが、玄くんの動機が存外しょーもなくってショボショボになってしまった。子供番組として過度にハードな設定にはできないという事情に加えて、「誰にでも起こりうること」というテーマがあるからだと理解はするが、それにしたってあんな家庭の事情で世界を滅ぼされてはたまったものではない。

まぁ、子供にはわからないレベルで(表面はきちんと取り繕ろいつつ)キッズアニメの約束事に対する悪意が忍ばされている面白さは健在だからこれからも見続けるけどね。第26話だと「チュウキやトクサの動機は実はものすごく手前勝手(面白半分だったり楽にヒーローになれるからだったりで結構ひどい)」とか「勝敗が実は主人公たちと無関係に決している(ヴィリウスに期待できないと見てガーディアンが方針転換しただけ)」とか。
 
仮面ライダー鎧武」
ちょっと前に某省の、大臣とオフィシャルサポーター(芸能人s)との打ち合わせ…と称する広報イベントに行ってきたんですが、そのサポーターのひとりがさかなクンさんで。あの人、素でもああいう調子なんですが(10年以上前に一度、仕事で会ったことがあるのだ)、その上さらにキャラを作っているのね。

「鎧武」ってそういう感じ。ウロブチ的に。

よくわからない例え? いやその、虚淵玄ってどの道ああいう話を書いちゃうんだろうけど、でもあれだけじゃないでしょ。なのに「鎧武」は決着のつけ方とかが実に何ともいわゆる「ウロブチ的」なものであったなあと。

そして次週からは仮面ライダードライブ」

4輪車に搭乗するのも(ブラックRX)バイクに乗らないのも(響鬼)初めてでないのに、斬新なコンセプトのようにアピールされてちょっと当惑する。PDか誰かが(電王のように)サブでバイクに乗ることもありません、と言っていたけど、それならきっと第2のライダーがバイク乗りなんだろうなと思う。トライチェイサー〜トライゴウラムみたいにオフローダーからツアラーに変型するの。

玩具的には要するに、戦隊のほうで電車のオモチャを使う変身がウケたから、じゃあ今度のライダーはミニカーだという感じ。ミニカーとして出来が良いようなら私の財布がピンチだったが、幸いにして不出来なようだ。ていうか乗るほうの車にしても、貴重なNSXをベースにするのはいいとして、もうちょっとデザインなんとかならなかったのかあれ?
 
ハピネスチャージプリキュア!
初めは「タイプじゃない」と言っていたのが次第に……というパターンだと思っていたら、CMでいきなりフラグをへし折られてかなりビックリ。本編ゲストキャラが劇場版ゲストキャラの当て馬扱いって初めて見たよ。本題はラブコメ展開でなく「あのコミュ障だったひめが文化祭で大活躍」という成長を見せることだったんだろうが、だったらゲストの生徒会長(ないし文化祭実行委員長)は女性にしたほうが良かったのでは。

誰よりひめ(キュアプリンセス)の成長を認識するのはナマケルダだというのは倒錯していて面白かったが、周りの人間が気付く・言葉をかけるという場面ももうちょっと押し出して欲しかったところ。
 
宇宙刑事シャリバン
新作のプロモーションの一環なのか、東映チャンネルで1、2話のみ無料放映。第1話、今ではオサレで小奇麗なショッピング施設に成り果てた横浜の赤レンガ倉庫が、この頃はまだ薄汚くて嬉しい。第2話、特撮ものでは微妙に珍しい(トッキュウジャーに出てきたばかりだが)東武東上線が登場。この頃なのでセージクリーム一色。山の中の単線区間東上線だろうか。ひょっとしてトッキュウジャーのオープニングにも出てくる区間
 
ウルトラファイト
毎度毎度同じようなド付き合いを延々繰り広げるだけの番組だが、それでも次第に作風というかノリの変化があるのが面白い。特に「早過ぎた葬送曲」(放映123話)は傑作で、「イカルスとゴーロンが共謀してウルトラセブンを不意打ちで倒す」という出だしは普通なのだが、そのセブンを弔ってやろうという展開になる。これだけでも相当おかしいが「俺は十字を切るぜ」「念仏を唱えるんだよ」と信仰上の対立から仲間割れしてしまう! 一体誰がこんな話を書いたんだろう?
 
機動戦士ガンダム」「機動戦士Vガンダム
アニマックスで同じ日から帯放送が始まったので視聴。録画なので毎日2作品続けて観ているのだが、10余年を経ての劣化を見せつけられて正直つらい。テーマとかドラマ性とかの小難しい話でなくそれ以前。情報の整理、提示の仕方。判りやすいところでいうと、ファーストは「ジオン公国」が敵だと冒頭のナレーションでスパっと説明し、目下の敵は「赤い彗星のシャア」。対して「Vガン」は、オープニングナレーションは何かムニャムニャと説明にならない寝言を垂れているだけだし、敵は「ザンスカール帝国の、べスパの、中でも凶悪なイエロージャケット」で、パイロットの個人名は主人公側には知らされない。敵の名前なんて最初のうちは「(ザンスカール)帝国軍」でいいやん。なんで要らない情報盛り込むの? クロノクルって実はシャクティの親戚やん。なんで序盤のうちにそれを暗示しておかないの?

また、主人公の動機付けも弱いからすんなり感情移入ができない。ていうかいくら動機が弱いからといって、話が始まったばかりなのにいきなり味方を見限ってカサレリアに帰るようではいかんでしょ(まだそこまで放映してないが)。「1年4クールのうちの第1クール」として捉えればまだ序盤の出来事だから、その行動によって戦う動機が固まるというシリーズ構成もわからなくはないが、そこまで律儀に付き合ってくれるのは信者だけだよ。

「Gのレコンギスタ」は子供向けを標榜しているけど、どうせまたこういう根本的なところが出来てないんだろうなとちょっと暗澹とした気分になる。

そうそう、私はちょっと前に「みんなトミノ監督を誤解している」と題するエントリで、「これから売り始めるものについてはいつもこんな調子で良く言ってます。酷評はひと通り商売が終わってから」と書いてましたが、今出ている『ガンダムエース』の別冊付録がこの10年のインタビューの再録でして、そこらへん確認できました。
http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20140708

つーかもう、ホントに調子良過ぎていささかウンザリ。
 
「ロボカーポリー」
ちょっと気を抜いたら終わってた。最終回も見たんだけど、それが最終回だとは気付かなかった(字幕が流れたらしい)。1年目のラストが2週にわたる前後編で町の住人総登場だったのに対して、あまりにもあっさりした終わり方だな。少々マンネリ気味ではあったけど本来の対象層はそういうのを気にしないだろうし、また第1話から再放送してもよかったんじゃないかと思う。