前輪駆動とFF

(ちょっと続き)
スズキのつづき(ドッ)
スズキ歴史館の展示物解説で気になったのが、スズキ最初の自動車にして日本初の軽四輪自動車「スズライト」の解説。

スズライトSS 1955年
日本で最初の軽四輪乗用車「スズライト」は、1955年10月に発表されました。スズライトの「スズ」は“スズキ”の略、「ライト」は“軽い”という意味の他、“光明”を意味しています。当時、四輪車に2サイクルエンジンを搭載して成功させたのも、FF(前エンジン・前輪駆動)方式を日本で初めて採用したのもスズライトでした。

解説自体は間違っていない、だがちょっと引っ掛かる部分がある。
「FF方式を日本で初めて採用」?

別のところに展示されていた、デビュー当時の広告かパンフレット。

軽四輪に絶対の自信をもつスズキが、わが国で最初にスズライトに採用した<フロントドライブ>方式。軽四輪車に最も必要とされる操縦性・安定性・室内の広さなどは、前輪駆動でなければ得られません。
フロントドライブの特長 <フロントドライブ>のよさは、何といってもハンドルさばきのよさと、安定性が素晴らしいこと。デコボコ道カーブでもハンドルがとられず、雨や雪にもスリップしません。重心が低く、高速でも路面に吸いつけられるような安定感があって、初めて運転される方にもまったく安全です。

そんな素晴らしいフロントドライブ方式なのに、2代後のLC10型フロンテはRRにしちゃうわけですが、そんなツッコミはおいといて。
やはり、というか当時は「前輪駆動」「フロントドライブ」と書いており、「FF」は全く出てきません。
どのタイミングかは調べてみないとわかりませんが、やはり富士重工(スバル)がFF」と言い出すまでは前輪駆動(FWD)は「前輪駆動」「フロントドライブ」だったようです。そのことが忘れられて、博物館での解説ですら「FF」と書くくらいに一般化しているのが面白い。
……まぁ前エンジン・後輪駆動がFR、後ろエンジン・後輪駆動がRRなんだから、前エンジン・前輪駆動がFFというのは普通に発想されることですけどね。

<3月1〜3日の静岡旅行レポート>
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