もしもボックスの元ネタ

例のトヨタのCMを観て、改めて思ったのは「もしもボックスって丹頂型電話ボックスなんだなあ」。電話機がダイヤル式なのも今見ると随分と古風である。

さて、形状や愛称、さらには型式名などは、しかるべき資料からたどれるのだが、ひとつわからないのが「もしもボックス」という名前の元ネタ。もちろん、電話の幼児語ないし俗称が「モシモシ」であることは承知しているが(でも死語化してるよね)、さて、「電話ボックス」が「もしもしボックス」と呼ばれていたことはあったのだろうか?

発想の順序としては、「もしもしボックス」がまずあって、それをもじった「もしもボックス」という名前が思い付き、その後で機能の設定を固めていったとみられる。だがその大前提、「もしもしボックス」という語は果たしてあったのか。そのルーツがたどれない。

あるいは、「もしもしボックス」という語はなく、「もしもし」から「もしも」を発想、電話型アイテムとその機能の設定を作った後で「電話機だけではパッとしないから電話ボックスにしよう」と考えたのかも知れないが……。この場合は、「電話ボックスにしよう」という所に飛躍を感じてしまう。

それとも、『スーパーマン』の逆転として、「電話ボックスの中に入った本人ではなく世界のほうが変身する」というアイデアがまずあって、その名前として後から「電話……もしもし……もしも、ボックス」と考えたか。これなら多少は筋が通るけれど、初登場エピソードは「凧揚げと羽根つきの無い世界」だったから、スーパーマンと関連付けて考えることに無理がある。

ドラえもん』研究本は山と出ているが、なにかもしもボックス誕生の経緯が書かれたものはないだろうか。

ところで、無粋を承知で書くが例のCM、のび太の発想ならば「もしも運転免許のいらない世界があったら」って言うとこだよな。んで、免許がなくても運転していい世界になったが、のび太はやっぱりまともに運転できませんでした、と。それじゃクルマのCMにならないけどね。