「一緒にヴァンガろう!」やだよ

世界に名の知れた大企業、トヨタが力を入れているCMは見たことがない一方、どこのチャンネルでも目にするのがブシロードのカードゲーム「ヴァンガード」のCMだ。何を考えているのか、ニュース専門チャンネルや歴史番組専門チャンネルにまで出稿している。TBSニュースバードではスポットだけでなく番組スポンサーにまでなっていた。

なんというか、無人の荒野に絨毯爆撃をかけるが如き大量出稿である。こうした戦略が有効なのは食品か雑貨であり、嗜好品まして子供がターゲットのカードゲームでそれをやったとて、購買行動には結びつかないだろう。TVゲームならまだしもカードゲームなんて相手がいてこそなのだから、まず大人でもヴァンガードができる場を用意して、そのうえで「幅広い年齢層が楽しんでます」とやらないと大量出稿は全く意味をなさない。

それとも、認知度の向上だけを目的とし、子供に「カードゲーム買ってー」とねだられたとき、パパママが「CMで観たことがあるものにしましょう」とヴァンガードを選ぶ、という効果を狙っているのだろうか? それならば「赤提灯1回ガマンすればキン坊ニコニコ」(←リアルタイムで見た記憶はありません)的な、父母層をターゲットにしたCMにすべきなのに、子供番組でもニュースチャンネルでも同じCMを流している。何がやりたいのか、理解に苦しむ。

自分たちが何を売っているのか、どこに売れているのか、どう売るべきか、これらを顧みないメガロマニアックな拡大志向に、なんというか、「デ・ジ・キャラット」のポテンシャルを過大に評価していた頃のゲーマーズを見る思いだ……って、あれ?