触手が動いてもいいらしい

昨日(http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20111107)に続いて「触手が動く」の話。
結論から言うと、「触手が動く」は誤用ではないという。

http://www.asahi.com/culture/animagedon/TKY200711240187.html
小原篤のアニマゲ丼・2007年11月26日
触手が動いちゃいけませんか?
それはある朝のことでした。朝食後に新聞を読んでいると、ユダヤ人団体がエルサレムの土地買収を進めているという国際面の記事に、「触手を伸ばしている」との文言が。思わずプッとふき出しました。「食指じゃないの? 誤用じゃん」

しかしこれは普通の言い方。「ああそうか、『触手が動く』だったら『食指が動く』の間違いだよね」。私はそう思っていました。

しかし「触手が動く」も、実は正しい使い方。調べてみたら、ちゃんと広辞苑に載っていたのです。なんてったって広辞苑です。

「触手が動く」=野心を持ち、何かに働きかけようとする気持が起る(98年発行・第五版)。ちなみに「触手を伸ばす」=「野心をいだいて徐々に行動にうつす」、「食指が動く」=「食欲が起る。転じて、物事を求める心が起る」。91年発行の第四版でも同じでした。

ええっ、そんな! 信じられない私は会社の資料室へ駆け込み、全13巻ある小学館日本国語大辞典」(01年発行・第二版)を開きました。「触手が動く」=「ある物事に働きかけようとする気持ちがおこる。野心がおこる」
(略)
「誤用」と思うものも含めて三つほどプリントアウトし、同僚に見せてみました。T君(30代、妻子あり)は「違和感? ありませんね」。Nデスク(40代、妻子あり)は「別にヘンじゃないんじゃない?」。でもこの文章は「食指」とすべきなのでは? 「あー、そうか。そう言われるとそうですねえ」
(略)

とまぁ「触手が動く」は既に、「一生懸命」(本来は一所懸命)と同じ程度に「誤用ではない」という扱いになっているようです。んー、ヒマがあったら辞典の版を遡って、いつから記載されているのか確かめてみよう。
(↓続く)