触手は日本独自の文化

なんか海外では、いわゆる「触手もの」は日本独自のHENTAI文化として認知されているそうです。
週刊ダイヤモンド」誌は、さすが日本有数の経済雑誌というべきか、そうした語彙を貪欲に記事中に取り入れてました。

http://diamond.jp/articles/-/14661
財政危機のスペインに投資銀行が群がる「理由」

欧州危機が深刻化するなか、財政赤字の大きさが不安視されているスペインに、投資銀行触手を伸ばしている。狙いは不良債権にあえぐ銀行業界だという。
(略)

……。
……まぁその。
ありがちといえばありがちなんですが……。
知識以前の問題として、「ここで『触手』って、言葉として何かおかしくね?」という疑問を抱く知性はないんでしょうか……。
「いや、きっとこれを書いた記者はまだ若手なんだろう。元が週刊誌の記事だし、校正も見落としてしまったんだろう。今回のこれは事故みたいなものだ、きっとそうだ」と思いつつ、フと思いついて「触手」でサイト内検索をかけてみた。
 
NPOの人材不足は電通が救う? 社会貢献に触手を伸ばす、広告マンたちのホンネ
(竹井善昭 [ソーシャル・ビジネス・プランナー/株式会社ソーシャルプランニング代表])」
 
日本の不動産に触手を伸ばし始めた 中国人資産家たち
(高田勝巳 [アクアビジネスコンサルティング代表取締役])」

…って、見出しからこれかよ! 他にも
  
「グーグルはここ最近、すさまじい勢いで新興の技術開発会社を買収しまくっているが、その触手はアメリカ国内にとどまらない。(瀧口範子 [ジャーナリスト])」
  
スマートフォンのハイエンドな機能を求める消費者へも触手をのばしてきた。(同 )」
 
「FC東京のカボレにも中東のクラブが触手を伸ばしており、早ければ今月中にも移籍が決まるといわれている。(無署名)」
 
「とにかく今、電機メーカーは盛んに車載電池事業へ触手を伸ばしている。(編集部名義)」

……とまぁ、あるわあるわで、私のほうが間違っているのでは? と不安になるほどヒットする。
言うまでもないはずなんだが、正しくは「食指を伸ばす」。いやもう、ここまでくると「正しくは」ではなく、「元になった成句は『食指を伸ばす』」と書くべきレベルかも知れない。
でもさぁ、「触手を伸ばす」って語感としておかしいでしょ!? なんで定着しかかってるのよ。
うーん……おかしいとは思わない人が増えているのだろうか……。
これもやはり、触手が日本独自の文化である一側面? 日本人はみんな潜在的に触手に好意を抱いているのか!?



ついでに、「日経ビジネスオンライン」でも「触手」で検索。

「触手」の全文検索結果50件

……。
なんかこう、やっぱり新語として認めざるを得ないとこまできちゃってます?