与野駅前と「うる星やつら4」と「うる星やつら3」と「ハルヒの消失」

与野駅前の大ケヤキがとうとう伐採されるというニュースを聞いて、「うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー」を思い出した。話は散漫だったけど、巨木が比喩抜きに「土地の記憶」を抱えている設定をはじめとして、雰囲気は悪いものではなかったと記憶している。



2010年5月15日午前撮影。

それにしても、「うる星やつら」の映画というと2の「ビューティフル・ドリーマー」ばかりが突出して高く評価され、そのついでに押井監督作品として1作目の「オンリー・ユー」が語られることはあっても、3、4はどうにも忘れ去られてしまった感がある(5作目、6作目は私も未見なのでなんとも)。それとも、どこかで誰かに再評価されたりしているのだろうか。

うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラブ」が逆「オンリー・ユー」なのはウィキぺにも書かれているとおりだが、もう一点、逆「ビューティフル・ドリーマー」の性格を備えていることも忘れてはいけないだろう。ラムがいなくなった友引町は、単にドタバタな事件が起こらなくなるだけでなく、時間が進み始め、登場人物たちが三年生に進級するのだ。モノローグで状況を説明するのが、BDではアニメオリジナルキャラで押井守監督の分身というべきメガネだったのに対して、RMLでは原作でも最初から登場していた、ラムが地球に来るまでは(来てからもしばらくは)「まともな人間」の水準だったしのぶだというのも対照的である。

そうした制作者の意欲は買いたいし、BDを捉えなおす上でも再び鑑賞する価値がある作品だとはいえる。けれど、終わらない夢を描き、その夢の楽しさと怖さ、夢の終わりの儚さを見せたBDに比べると、RMLはひとたび夢の終わりを見せつけた後で、その終わった夢にすがりついて取り戻す話になってしまっていて、なんだか未練がましい感じがするのだ。BDの時期を最後に「うる星」から去った押井守への、その後を受けたスタッフたちのアンサーだと見れば致し方無いことではあるが。

んで、ようやくタイトルにした「涼宮ハルヒの消失」の話。私は結局見に行かなかったんだけど、設定を聞く限りではBDでなくRMLに近いんでないかと。そこらへんでRMLの再評価とかは無いのかしらん。