自分に「殿」をつけるな

仕事で某新聞社の「記事転載許可申請書」を取り寄せる。申請に当たって書くべき内容はまず至って常識的で、とくにどうというわけではないのだが、ひとつ呆れたのが用紙冒頭の「宛て名」とご挨拶の部分だ。

○○○○○新聞記事 転載許可申請

 
株式会社○○○○○新聞社編集局長殿

貴社の著作物ならびに新聞記事を以下の目的により転載したく、許可を申請致します。

「殿」つけんなよデコ助野郎ォ!
いやまぁね、手間が省けていいとは思うんだけどさ。不愉快だよね。「転載料バカ高いうえに、オレ様商売かよ!」ってさ。
自分の身内には敬称などつけずに「株式会社○○○○○新聞社編集局長 宛」としておくのが送信する側のマナーっていうか常識だし、返信する側は「宛」を二重線で消して、手書きで「殿」なり「様」なりを書き添える。この一連のやり取りが礼儀ってもんでしょ。
同様に、自分のことを「貴社」と書いているのも×。代名詞でなく「株式会社○○○○○新聞社」にするのが適当でしょう。「申請致します」は微妙ですが、丁寧語と思えばこれはOK。
「無駄に難しい」? 「手間ばかりかかる虚礼」? 確かにそのとおり。だけどね、曲がりなりにも新聞社なのだから、いわゆる「正しい日本語」をリードしなければならない。虚礼も含めた「正しい日本語」をきちんと使いこなせていないのは、やはり問題でしょう。
この文面書いた人は、他人の前で自分の父母を「お父さん」「お母さん」と言って恥じない(そもそもそれの何が間違いかわかってない)んだろうな、なんてことまで想像を膨らませてしまう俺様ちゃんであった。
このエントリを書くにあたって、問題の申請書を使ってその申請書の転載許可を求めようかと思ったけれど、無駄に波風立てそうなのでパス。ちなみに、ホームページ・ブログへの転載は記事1本につき一律5250円だが、それを支払うのが惜しくて申請しなかったわけではありません。