色々感想

まったく期待していなかった、というかいつやっているかさえ知らなかった(知ろうとも思わなかった)「ウルトラセブンX」を観てみたら、意外に面白くて驚いた。最後はウルトラセブンという名のデウス・エクス・マキナを堂々と出していいため、最終的な解決方法まで考えずに話を進められる、というこのタイトルならではの特性が生きている感じ。
ファミリー劇場の「超人機メタルダー」、今回はいわゆる「モンスター三部作」の2話目「愛しのモンスター 包囲する忍者たち」。この回、戦ってる最中にばっさり話が終わるという大胆な構成。次回へのヒキではなく、「戦闘は続いているけれど、語るべき物語は終わったから終わるのだ」という姿勢の現われで、本放送時には「特撮ヒーローものもここまできたか…!」と度肝を抜かれたものだ。
見返すとこの回、ほんとによく出来ている。ネロス帝国4軍団というと、●裏切り(誤解含む) ●軍団間のいざこざ ●軍団員の独断専行 を毎度毎度繰り返してるわけだが、この回はその毎度のパターンをうまく消化しているのだ。
「裏切り、と見せかけて実はメタルダーを陥れる罠」「その罠におとりとして利用され3人の軍団員を失い、モンスター軍団のウィズダムへの恨みを募らせるヨロイ軍団・ガラドー」ときて「メタルダー抹殺失敗を理由にして、独断でウィズダムを襲撃するガラドー」てな調子で、各要素が一本の作戦(=ストーリー)のなかできれいにつながっている。
もちろん、「ウィズダム、あの技も力もなく薄汚いヘドグロスの女!」となじるかつての友軍ガラドーと、そのガラドーからウィズダムを守りつつ「ウィズダム、生まれてくる赤ん坊に、父親は一人で立派に戦い、自分の夢に殉じて燃え尽きた男だと伝えてやるんだ」と諭すメタルダー(=ヘドグロスの仇!)との対比のクライマックスも見事で、もう泣ける泣ける。この場面、主題歌がインストロメンタルでワンコーラス流れた後、タイミングを見計らって「♪夢を果たすまで 一歩も退くな」と2番から歌詞が入るという演出も効果的で、いやホンマに泣けるで!
細かなところでは、「心臓がふたつある?」「違う、赤ん坊だ」なんてメタルダーらしい無知の描写も面白いし、ひょっとしたらメタルダーでベストエピソードかもしれん。