今週の週刊少年漫画

ジャンプを金曜に、サンデーを月曜に、チャンピオンは水曜に買う生活が続いているため、感想を書くタイミングを逸してしまいがちなんですが、ここで買って読んでる3誌まとめてやっつけてみる。

週刊少年ジャンプ#47
P2!―let’s Play Pingpong!―
いつ打ち切られるかと戦々恐々していたのが遥か昔のことと思える、1周年記念の表紙&巻頭カラー。カラーページの関連記事を見るに、編集部には「○○王子」の何番煎じかで「次は卓球ブームがくる!」という読みでもあるのだろうか。
ブームといえば、今さら感あふれる都市伝説が最近またブームだそうだが、「P2!」人気とそっちのブームの流れと併せて「4u」の単行本化もあながち無いとはいえないかも? Web発表分は読んでないんだよね個人的に。
本編では遊部の奮闘が続く。この展開だと、かつての岩熊のようにヒロムに後事を託してリタイア、みたいな結末が脳裏をよぎって不安になる。
 
HUNTER×HUNTER
ここでワイルドカードを出すか冨樫、それも一度に2枚! 「なんか古い顔が寄り集まってゴチャゴチャやってるけど、どうせU次郎(仮)が現れて、それまでの全ての展開がチャラになるんだろ」的な、興醒めするほど決定的なワイルドカードではなく、劇中設定としては決定的なんだけど、ストーリー構成のレベルでは「勝つか負けるか分からない」緊迫感を保っているのが「H×H」の美点でしょう。
それにしても、あれだけ休んでなお手抜き作画が治らないなら、やはり原作者に転身すべきではないかと思う。
 
魔人探偵脳噛ネウロ
アニメ版、開始時間遅れ・予約忘れ・テープ切れ(ウチは未だにVHS)ときて、ヒステリア回でようやくマトモに視聴。
……でももう見ない。原作の、極めて個性的な構図や演出、間のとり方をアニメにできないのはまぁ仕方ないと言ってもいいさ。でもね、「犯人は……お前だ!」の決め台詞とか、笹塚による爆弾狙撃とかの「教科書どおりに演出すればベタながらカッコよく決まる」場面くらいはマトモにやってよ……。
連載のほうは未だ箸休めが続いてる感じ?
 
週刊少年サンデー#47
金剛番長
なんで「ジャンプ」でこれをやらなかったのかとも、「サンデー」だから異色作として輝くのかとも思う、素晴らしくムチャクチャな鈴木央の新連載。いかにもサンデー的な、小奇麗でお行儀良いが退屈極まりない忍者マンガよりは期待できるが、いや一体どこへ行くんだろう、このマンガ?

ダレン・シャン
人間によりペットとして持ち込まれた外来種のクモとの交配によって、既存種の生存圏が脅かされるという、現代的な環境問題に真っ向から取り組んできた。
……ウソです。
外来種の問題は昔からの環境問題です(そっちがウソかよ)。
それはさておきミスタータイニー、こいつって主人公ダレン・シャンに対して作者ダレン・シャンみたいな役回りだなとふと思った。これまで積み重ねてきた設定からしたら、今さら「クレスプリーとダレンの師弟がコンビを組んで再び旅に出る」なんて展開には、自然な流れではどうやってもできないから、予言という形で無理矢理干渉してくる……という。
 
週刊少年チャンピオン#48
そんなに面白いとも際立って個性的とも思わないんだけど、最近なんとなく好きなのが侵略!イカ娘。ただ、チャンピオンのこの種のショートコメディはマンネリに陥りがちなので気をつけて欲しいところ。今号の休載は時期的にいって単行本の作業のため? と思ったが、作者のブログを読むに、単に掲載誌側の都合の模様。

ギャンブルフィッシュ
こと週刊少年漫画に限っていえば、いま最もストーリーテリングに優れた作品。いやマジで。
中期的な展開上、2回戦は白鷺側が勝つのが確実なのだが、ではその結果の分かりきった勝負で、読者をどうひきつけるか? 前回予想された、「菜摘の善戦がよい時間稼ぎとなり、2回戦は月夜野が復帰する」という展開はいきなり冒頭で否定(巻頭カラーで「準ヒロイン格が下痢でトイレに出たり入ったり」をみせるのはどうかと思うが)。そして敵側の指名でキノコ頭がエントリすることになり、どう勝つのか全く予想もつかないカードとなった。月夜野だったら、「予想外の苦戦はしても最後に勝つだろう」という安心感があったからな。
しかも勝負の方法は、キノコ頭の取り柄であろう頭のよさとは無関係っぽいもので、そのうえ一発勝負! 「序盤は劣勢だがあるとき起死回生の逆転を果たす」パターンは二戦連続ではやりませんよ、と原作者が宣言しているかのようだ。つか、どうやっても勝てそうにないよこれ!?
前回のご都合主義的な展開のひとつ、あまりにタイミングよくピンゾロが出たことに劇中でツッコミが入ったり(しかも、そこで種明かしが無いために不安感が持続する……種を考えてないかもしれないが)、割とどうでもいいポスターを伏線と位置づけたり(後付け感アリアリだが)と、細かなところにも神経が通っていて面白い。

「THEフンドシ守護霊」
元々はコメディだったのに、気が付くとバトルが延々と続く漫画になっていた、というジャンプ的な路線変更に注目している。この時期にセンターカラーということは、バトル路線のほうが読者に受け入れられた、とみるべきか? とかそういう意味で注目作。

マイティ・ハート
基本設定は悪かないのに話づくりがいまひとつふたつみっつペラい感じで、あまり注目していなかったのだが、今回の展開は燃える! 敵味方共闘があるとクライマックスって感じだ(で、終わるの?)