MUSASHIや斬を包括するジャンル名を!

アニメ界に「MUSASHI -GUN道-」「内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎」、少年マンガ界に「大泥棒ポルタ「斬」……。なんだかひとつのジャンルを形成する勢いで「そういう作品」が増えている。なのにまだ「そういう作品」の総称、ジャンル名がないのがまどろっこしい。

TVゲームでは「クソゲー」というジャンルが確立されているものの、さればとて「クソアニメ」「糞漫画」では品性に欠ける。ヤシガニが指すのは単なる未完成や作画崩壊だ。「作者の意図とは別の意味で楽しめる」という点ではまごうことなく「トンデモ」なのだが、この言葉が指すものはいささか広すぎる。

「そういう作品」とは具体的には

1・度を超えて稚拙な作品。ふつうに稚拙な作品や、未完成のまま世に出た作品ではなく、「そもそもなぜこれが世に出てしまったのか? 誰か止める者はいなかったのか?」と、企画成立、プロデュース(編集方針)、スタッフの選定(作家の選定)等々あらゆる段階に対して疑問を差し挟む余地のある作品。

2・あまりにも稚拙なので、その稚拙さを主要な観賞ポイントとするファンが多数存在する作品。ただ稚拙さのみを期待する「純粋稚拙嗜好」のファンに好まれる作品。彼らは「稚拙だけどヒロイン萌え」とか「稚拙だけど世界観は魅力」といったエクスキューズを必要とせず、稚拙さそのものに価値を認めている。

といったところか。ここではファンを「純粋稚拙嗜好」と名付けたが、作品ジャンル「純粋稚拙」では言い足りない感じがする。どこかに何かイイ言葉はないものだろうか。

蛇足ながら、「純粋稚拙」から派生して「ぴゅあぷあ」なんて言葉も思いついた。美少女コミックかギャルゲーのタイトルにでもありそうだ、「ぴゅあ☆ぷあ」とか (でも「清貧」の訳にも読めるか)。