本当はこわいおとぎ銃士

じゅ〜しぃ〜♪(←挨拶) 放映開始当初より「女児向けなのかオタク向けなのかわからない」と言われていた「おとぎ銃士 赤ずきん」。六条麦さんのおもちゃショーレポートを読むに、番組内容のみならず商品展開まで女児とオタクの二兎を追うようだ。さてどうなるか、とコナミの手並みに注目している(ていうか絶対投げ売りになるぞボイススタチュー定価4410円)。それはさておき、今回取り上げるのはオープニングテーマ「童話迷宮」(童話迷宮)の奇怪な歌詞だ。

あしたの近くで扉が待ってると
伝えて去ったのは 不思議なフェアリー

せわしない奴だ。飛んでくるなり言いたいことを言ってそのまま飛び去ったのかよ。「私おいてけぼり」な雰囲気が狙いなのかもしれないけど、「伝えに来たのは」で良いんじゃないでしょうか。
そもそも「あしたの近くて扉が待ってる」が変。ありがちな比喩表現だけれど、ふつうは直面している障害や、先に進むステップの喩えでしょ。それは自分自身にしか見えないか、最低でも自分自身には見える。なのにここでは全くの他人の伝言のなかに出てくるから、「扉」が何を指しているやらつかみ所がない。

謎色の羽ひらひら 見とれてはっとなる 
私行かなくちゃ 呼ばれてるわ…誰に?

電波受信中。それ以前に、羽に見とれてて伝言を聞いてなかったようだ(笑)。いやまぁ、私とは無関係に状況が動いてる雰囲気は悪かないんですが。

さみしいならシャーベット思いだして
一匙が冷たい甘い矛盾が愉快

なんだこの脈絡の無さは。なんでここで「さみしいなら」? どうしてここで「シャーベット」? ていうか、誰が誰に語りかけているんだ? 

がんばるとき つらいとき 夢が紡ぐお話が好き

つらいのはこの脈絡の無さだっての。さみしいときはシャーベットなのに、がんばるときつらいときはお話なのか?

だって素敵だわ 私いまは童話のなか

いつの間に!?

銀の迷宮で巡りあえる恋人でいて なんて言えないの
ちょっとずつね ちょっとすつよ
冒険とかしてみましょう そこから始まればいいな

最後は唐突にラブソングになってます。ついでに「冒険」という番組コンセプトも放り込んで締め。「よーし、うまくまとまった!」という作詞家の声が聞こえてきそうだ。

とまぁ、初めの印象は「聞きやすい曲と田村ゆかりの歌唱にごまかされるけど、実はかなりの電波ソング」という評価だったのだが、こうしてツッコミを書き出すうちに、歌詞に秘められた重大な謎を解き明かしてしまった! この歌の「私」は最初から……(つづく)