平仮名で親しみやすく

「平仮名で親しみやすく」といっても、「なぁ〜にが『ねんきん事業機構』だ、腐れ脳みそが!!」という話題ではなく、「国を愛する」について。しかしまあ、googleニュースで「国を愛する」を検索すると、ヒットする全国紙は朝日と産経だけというのが左右の各代表という感じで失笑してしまう(たまたまだろうけど)。

教育基本法改正の協議再開 与党協議会が確認】
 自民、公明両党の幹事長、政調会長らで構成する与党教育基本法改正協議会は25日、「愛国心」をめぐる表現が焦点となっている同法改正案について来月1日の検討会から協議を再開することを確認した。
 自民党通常国会への改正案提出を目指しているが、公明党は慎重な立場。
 愛国心に関するこれまでの協議で、自民党は「国を愛する」との表現を改正案に盛り込むことを要求。公明党が「国を大切にする」と主張し、対立している。
共同発・産経新聞01/25 21:55

さて、「国」という言葉が政権を握る者の側から出てきたとき、真意はどうあれそれが意味するものは「国家」でしかない。「国を愛する」にどこかヤバい感じがつきまとう理由はそこにある。しかし言うまでもないが、本来「国」と「国家」とはイコールではない。ではどうすればいいか? 私が思うに、これをこそ「くに」と平仮名にすればいいのだ。「くに」は「故郷」「田舎」とも表記されるように、、一般的な使われ方においても、国家のみでなく広く生まれ育った土地をさす言葉だし、そこに居るのは為政者でなく愛すべき家族や友人、隣人そして同朋(と書いてはらからと読むべし)だと想起される。「国を愛する」には抵抗を抱く人も、「くにを愛しむ」ならばすんなりと受け入れるのではないだろうか。
……しかしその言い換えはできまい。いや、万が一「くに」になったところでごまかしでしかない。そもそも、それを法に定めるのは他ならぬ国家なのだから。ただ、行政だの立法だのに直接関わらぬ者が「国を愛する心」を思うときには、それは国民としての国家への恭順なのか、それともひとりの人として「くに」を愛する心なのかを今一度振り返るべきと思う。
蛇足ながら、「愛国的」の対義語には「反国家的」が最も適当なのだろうか? だとしたら、この「国」と「国家」の差は何に由来するのかも気になるところだ。