「ドラえもんはフランスで放送禁止」というデマ

なんつーか、世の人の大多数は「正しい情報」とかそれにたどりつく方法とかに興味が無いんだなぁ…とウンザリする出来事がまたひとつ。
めんどくさいから結論だけな。
http://news.livedoor.com/article/detail/11247381/

辻仁成氏 「ドラえもん」がフランスで放送禁止だと明かす「子どもが成長しない」
2016年3月2日 19時0分 トピックニュース

2日放送の「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)で、フランスを中心に活動する作家・辻仁成氏が、アニメ「ドラえもん」がフランスで放送禁止だと明かす場面があった。

番組では、辻氏をゲストに迎えてトークを繰り広げる中、「ドラえもん」にまつわるネタハガキから同作の話題になった。爆笑問題太田光がそこで、「フランスでも人気あったりするんですか?」と尋ねると、辻氏は、「ドラえもん」がフランスで放送禁止となっていることを明かしたのだ。

辻氏によると、現地の教育委員会が「あんなドラえもんみたいなヤツがいたら子どもが成長しない」「子どもが困ったときに、なんでもドラえもんに助けられて、次々に(ひみつ道具を)出されると困る」との意味から、同作の放送がNGとなっているのだという。視聴したい人は、もっぱらYouTubeを通じて視聴しているのだとか。

こうした状況のため、現地では日本のアニメが大好きな若者でも「ドラえもん」の存在を知らない人が多いという。辻氏が「『ドラえもん』の話をすると知らないの」と明かすと、大田は大声を上げて、驚きをあらわにしていた。

デマだよ、デマ。
ほい、フランスのテレビ局の「ドラえもん」公式サイト。
http://www.boingtv.fr/series/doraemon
んで、放映リスト。
http://www.boingtv.fr/guide-tv
毎日やってるよ。
「本当にフランス?」と疑う人もいるだろうから念のためウィキペディア、「boingはフランスとフランス語圏アフリカの子供向けフランス語のテレビチャンネル」だってよ。
公式でない可能性もあるけど、DoraemonFranceというフェイスブック・アカウントも確認したよ。
https://www.facebook.com/DoraemonFrance/



こんなの、ざっくりググるだけですぐ判るだろ? ああもう、ほんとウンザリ。
鵜呑みにしてへぇ〜と言ってるだけならまだいい。度し難いのは、
「まぁドラえもんは教育漫画の皮を大変上手に被ったギャグ漫画なのでね。気に食わない人がいるのもわかるよ」
「規制規制って言う奴は一部しか見てないで火病発動してるからね」
「各国の思想や観念、及び映像倫理の団体次第でその辺が誤解されるってことはどんなもんにも往々にしてある」
「二次元と三次元の区別ついてますか?」
とかしたり顔で言ってる連中。まず自分自身の知性を疑えっての。



ただし、「子どもたちの教育環境に悪影響を及ぼすのは好ましくないため」を理由に『ドラえもん』を放送禁止にしている(との報道があった)国は確かにある。それはフランスでなくバングラデシュ
http://www.cinematoday.jp/page/N0050419
既に3年前のニュースで現在はどうか不明。また、道徳の問題でなく「同国公用語ベンガル語ではなく、ヒンドゥー語吹き替え版で放送されているため、子どもたちの母国語習得の妨げになるということが放送禁止の理由として挙げられていた」との説も記事には書かれている。



(3月5日追加)
「ネットロアをめぐる冒険」が同じ話題を取り上げていました。
http://ibenzo.hatenablog.com/entry/2016/03/04/005027
さすがというべきか、辻仁成の発言が本当にあったのか、フランスの教育委員会とか何か、放送禁止の指示ができる機関は何か、さらにはバングラディッシュの現地報道などまで掘り下げてます。
 
ウチにあって向こうに無いのはフェイスブックアカウントの件くらいかな。
この際なのでざっくり横断してみましたが、
Doraemon France/ 3976人が「いいね!」と言っています
なのに対して、
Doraemon(イタリア語)/ 109,411人が「いいね!」と言っています
Doraemon(スペイン語)/ 71,494人が「いいね!」と言っています
とマァ文字どおりの桁違い。アカウント開設時期などを考慮に入れたとしても、フランスでは他国に比べて不人気なのはまず間違いないようです。