最近観たTV番組

 
SHIROBAKO#20
ネットの巷で平岡が大人気(笑)でちょっとビビる。前回から逃亡癖の演出家・池谷さんが登場しているのは、作り手(「SHIROBAKO」の作り手ね、念のため)にしてみれば平岡のカウンターウエイトのつもりだったんだろうけど、視聴者的には平岡ばかりが重くなっている感じ。能力がそこそこでも態度が悪くても、とりあえず仕事はやる平岡タイプよりも、どれだけ能力があろうと仕事を放り出して逃げ出す(締め切りを守らないどころでない!)池谷タイプのほうがリアルでは迷惑なんだけどな。

平岡のポジションは『錻力のアーチスト』の安保先輩と同じ……というのはさておき、「お仕事もの」とか部活ものにありがちな設定の逆。「業績が振るわない、仕事(競技)へのモチベーションが低い職場(部活)に、一人やる気あふれる男が加わった。その影響で周囲のみんなも情熱を取り戻す」……というパターンが逆転した構図になっている。

そう考えると(考えるまでもないけど)三女関係者はみんな概ねやる気があるのが、ものすごく嘘くさいんだよな。過度に理想的な職場。「なぜアニメを作るのか」の理由をそれぞれ違ったものにしてバラバラ感を印象付けようとしてたけど。

脚本の舞茸さんはPOMERAユーザー。しかし私は5台目にして折り畳みキーボードでないDM100を選んだのだった。折り畳みキーボードはかっこいいんだけど1年持たずに接触不良起こすんだよねー。

キングジム デジタルメモ ポメラ DM100 ブラック

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『Gのレコンギスタ#22
ガンダムAGE』の敵方ヴェイガンは「火星に移住したけどそこは死病が蔓延する世界でした」ってな設定。遠流とされた罪人ではあるまいに、それならとっとと火星を離れて地球に戻ってくればいいのに、何故かそのまま火星に棲みついて国家を築いてしまった。それならそれで火星が故郷と割り切ればいいものを不満タラタラ。地球への恨みを募らせて、150年も経ってから地球を襲撃してきた。それならそれで「自分たちは火星移民の末裔である」と宣言して地球連邦政府に対する要求をハッキリ言えばいいのに、何故だか自らの正体を隠していた。

……ジット団(及びトワサンガ内の不穏分子)って、何だってレコンギスタとか言い始めたわけ? そしてそれはどれくらいの規模を想定しているの?

ヴィーナス・グロゥブの生活に差し迫った危機があるわけじゃないよね? 何を突然地球回帰なんて言い出したの? そして何故強行する? ヴィーナス・グロゥブ内でジット団が支持を集めている様子も無いから、仮にレコンギスタを敢行したとして多くてせいぜい百人規模じゃないか? だったら何も武力を行使するまでもないだろう。

前回の感想で触れたとおり、主人公連中は何の目的で金星近傍まで出かけたのか忘れ去られただけでなく、敵方も何が目的やら描けていいない。ジット団しかり、クンパ・ルシータしかり。いやまぁクンパの目的は割とはっきり語られたけど、かつて「地球人は滅びるべき」とうそぶいていたのに、今回は真逆のことを言い出していて、これも困惑させられた。

ラ・グーもよくわからない。ムタシオンが嫌なら自ら(あるいは社会でルールを設けて)適当なところで命を絶てばよかろうものを、何でからくりボディをこしらえてまで生に固執するんだ?

現実の日本を反映して、例えば「長命の代わりに生殖能力は失われ、次の世代が生まれない・育たないまま、ただ年寄りたちが漫然と生き永らえている」みたいな設定ならばまだわかるけど(あるいはそういうウラ設定かもしれないけど)、そうとは描かれてないんだよなぁ……。

あるいは、身体の変化に重きを置いたムタシオンを出すことで、精神が進化したニュータイプを改めて描く意図もあるのかもしれませんが、それをやるならもっと早く仕掛けてよと言わざるを得ない第22話だった。

マァ、「状況が勝手に動き始めてしまい、各人の思惑では全くコントロールできなくなっている」という作品内の状況が、作り手たちの状況と相似形だと思えば面白みもあるけどね。つか、富野アニメはそういうの含みで観ていかないと視聴者としてやってらんない(苦笑)。
 
『プリパラ』#35
外の世界への関心、命令に従わなくなる自我の目覚めといった展開は人造人間(人工知能)ネタとしてありがちといえばありがちなものですが、なかなか見せてくれます。単にファルルに「友達って何?」という興味と感情が生まれるだけでなく、それが新たなメイキングドラマにも反映され、さらにソラミドレシの作詞のヒントにもなる…というあたり、最後のステージバトルへの期待感を盛り上げてくれる。ここでユニコンがファルルのファンの増加を喜ぶわけでなく、「いけない予感」をはっきり口にすることで不穏な空気を漂わせるのも巧い。

一見してオモチャのロボットであるところの、ファルルののんを皆が「可愛い〜」と受け入れるのが実にこのアニメらしかった。……その後で、皆が修理しようとしてさらに壊していくのも実にこのアニメらしかった(笑)。
 
ウルトラQ#9
アバンタイトルの雰囲気というか舞台が違い過ぎて、しばらくどの回だったか分からなかった。本筋は典型的な古典ホラーで、クモ男爵の伝説は本当のことなのか、襲ってくる大クモはその伝説の娘なのかはぼかしたまま終わる。そこで改めてアバンタイトルの意味を考えると、あれは「伝説とこのクモは無関係ですよ」宣言とも受け止められるんですが、いや実際、なんだって館以外での襲撃シーンを入れたのだろう?