7月20日、新花巻を発ってまず目指したのは遠野。宮守に寄ることも検討したが、五曜を確かめたら大安だったので止めた。友引だったらネタとして寄ったのだが。
遠野には7時50分着。ここには10年くらい前にも一度来たことがあって、そのときに妖怪がいそうな気配なんて微塵もないカッパ淵も見ているし、今回は雨のためレンタサイクルでの移動ができないため、町中を徒歩で巡るだけにとどめた。
真っ先に行ったのはここ、「亀の湯」。説明不要の亀。ひょっとしたら無くなっているかも? 銭湯としては残っていても亀がいなくなっているかも? と心配したがかつて見たままだった。
豆タイルも美しい。
その近くの傾いた電柱。
これはまぁ、何となく風景になっているので撮っただけだが……。
駅の西側の通りには、色付きの電柱が並んでいた。
これはどうやら環境美化の一環のつもりらしいがコンクリートの地の色=無彩色のグレーのままのほうが目立たない気がするぞ。
街中にはちらほらと戦前築と見られる商店が見られた。
「物果」「店商屋乃鶴」「子菓」。同じ「鶴乃屋」の屋号のまま菓子店として現役なのが高ポイント。
ただ、再開発の途上なのか、駅東南のエリアには一見したところ人が住んでいない集合住宅が非常に多く見られ、現在そして今後の町の姿が少々気になるところ。
日枝神社の境内に立っていた「蚕霊塔」「昭和八年七月二十八日」。遠野で蚕信仰といえば言わずと知れた「オシラサマ」だが、昭和になるとこうした塔も建てられた、ということか。神社に建てられた塔というと一緒くたに「昔の信仰」と扱いがちだが、これはむしろ近代化の象徴というべきだろう。
街中を一時間ほどふらついた後、遠野市立博物館へ。常設展は当然というか「遠野物語」を前面に出しつつ、この地の歴史を伝えている。マルチスクリーンでは水木しげるのマンガ版「遠野物語」を元にしたアニメを上映していた。オシラサマの話、「娘と馬は夫婦となった」という場面はナレーションでの説明と「それを知ったお父は」の驚愕→憤怒の表情だけで流してしまっていて(マンガのほうにはそれなりに描いてある)、それはマァ当然ではあるのだが、一方で馬を木に吊して惨殺する場面は割とばっちり描いていた。倫理基準てどうなんだろうと思ったり思わなかったり。
企画展は「魂のゆくえ」と題して、岩手県下の幽霊画や供養絵額などを集めたもの。興味深い内容ではあるのだが、幽霊画ってなんだかんだでワンパターンだったり、供養絵額はそういうものと知らなければ日常生活のポートレート的な画題だったりで、見応えがあったかと問われるとちょっと頷き難い。
- 作者: 水木しげる
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2時間強の滞在の後、10時2分発の下り列車「はまゆり1号」に乗って釜石へ。