名古屋の旅#6/愛知県庁,名古屋市役所,名古屋市政資料館

リニア・鉄道館を後にしたのが14時過ぎ、帰りのバスは17時30分発。余った時間が中途半端だから、名古屋市街からあまり離れない範囲で何か見るものは無いか……とスマホをちゃかちゃかいじり、おお、そう言えば愛知県庁は特徴的な近代建築だったなと思い出す。

ファインモールド 1/500 オトナの社会科見学シリーズ 愛知県庁本庁舎 プラモデル SE3

ファインモールド 1/500 オトナの社会科見学シリーズ 愛知県庁本庁舎 プラモデル SE3

プラモもあったり。
名古屋駅から地下鉄桜通線久屋大通駅、ここで名城線に乗り換えるところだがひと駅分くらいならと地上に出て歩く。

そしてこんな建物の前を通りがかる。左は「伊勢久株式会社」(1930・昭和5年)、そして右は「愛知県庁大津橋分室」(1933・昭和8年)。

特に大津橋分室は有名かつひと目を引く建物で、ググると取り上げているサイトが多数ヒットする。下記URL「(遊)OZAKI組 NAGOYA 文化のみち」はディテールや館内の解説にまで踏み込んでいる。
http://www.wa.commufa.jp/~toshishi/machinami/shirakabe/shirakaba.htm


「上部には「日・月・星」の装飾も並び」と書かれていて、たぶんその通りなんだが「日・月・雲」にしか見えない……。五芒星や六芒星アスタリスクでない星のシンボルにこういう形のがあるのか? 上部に並ぶたいまつ? のようなディテールもなんだか不思議。

そしてこれが愛知県庁舎。

昭和13年(1938年)3月完成。鉄骨鉄筋コンクリート造、地上6階地下1階塔屋付き。建築面積4,666㎡、延べ面積28,314㎡、高さ39.79m

昭和天皇御大典の記念事業の一つとして、名古屋市中区新栄町(当時木造2階建て)から現在の場所への移転が決定された。
(略)
このころは、戦争が拡大しつつある時であり、国威発揚の波に乗って日本の伝統を建築にも反映させる風潮が高まっていた。当時のごく普通のオフィスビルと大差のない躯体ながら、頂部に城郭風の屋根を乗せた特異な意匠(「帝冠様式」)はこのような時代背景のなかで当時多く建設され、同じ様式の「軍人会館」(当時東京九段に計画中。現、九段会館)の影響も強く受けた。更に、建設地が名古屋城の外堀内にあり、名古屋城と、先に完成していた(昭和8年)隣接の名古屋市役所本庁舎との調和も配慮された設計が考えられた。

(愛知県・「愛知県庁本庁舎の解説」)
http://www.pref.aichi.jp/zaisan/chosya/hon3.html


「先に完成していた隣接の名古屋市役所本庁舎との調和」、という名古屋市役所本庁舎。これも天皇御大典事業のひとつとのこと。

交差点からツーショットで撮ることもできた。
ここから北西に向かえば名古屋城だが後回しにして東に向かう。

事前には全く知らなかった「名古屋市市政資料館」、旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎。大正11年(1922年)築。ネオ・バロック様式でなんというかとても大きい。

正面玄関、車寄せ。中央の金色に輝く装飾は、公正な裁判を意味する「神鏡と神剣」とのこと。

外見からしてすごいのだが、玄関をくぐってなお驚く。この豪奢というか華美なホール! 映画の撮影などにもしばしば使われるそうだ。最近では『謝罪の王様』が撮られており、館内には撮影場所の案内があった。

正面のステンドグラスは「罪と罰が釣り合うことを意味する天秤」、天井のほうは「日輪を素材に公明正大な裁判を表現している」とのこと。館内は他に会議室などが復原、法廷などが再現されている(言葉の使い分けが面倒だね)。入館無料で非常に見ごたえのある施設だった。お金を落とさないのは申し訳ないので喫茶室で遅い昼食を取る(16時だったからもう夕食だが)。
つづく。