松本の旅#1 松本電鉄・新村駅

去年の宮崎旅行のことをまだ書いていないというのに、また旅行である。いやその、だんだん18きっぷの使い方がわかってきたのだ。
1●12月15日・土合往復
 (http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20131215
2●12月22日・いわき(内郷、湯本)往復
 (http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20131225
ときて、
3●12月29日・さいたま新都心→宇都宮
年末の帰省に利用。そして、
4-1●1月3日・宇都宮→さいたま新都心
と、帰ってくるのに利用。この時点で元は取れているのだが、しかし1日有効なのに宇都宮〜さいたま新都心の1時間20分だけしか使わないのはもったいないと思い、さいたまで一たび荷を解き、ふたたび旅支度をして、
4-2●1月3日・さいたま新都心→松本
と、松本には夜中に着くプランで出発し、一泊して4日の日中に市内観光。そして、
5●1月4日・松本→さいたま新都心
で5回分。今回はとにかく有効に「使い切った」感があった。
 
さて、なぜ松本かというと、そこにローカル私鉄があるから。休日のみ発売している「上高地線電車一日フリー乗車券」1000円也を購入して(駅で売られておらずバスターミナルに行かなければならないのがちょっと難儀)、4日は朝からまず松本電鉄アルピコ交通)・上高地線に乗車した。

車両は井の頭線で使われてた頃になじみのあった元京王3000系の3000形。「鉄道むすめ」風の萌え絵のイメージキャラを大きく展開しており、淵東なぎさ(えんどう・なぎさ)が描かれた新年仕様のヘッドマークを掲出していた。

ああ! 窓に!窓に!
……一部の車両はいわゆるラッピング車両で、淵東なぎさが車体に大きく描かれている。その一部がドア窓にかかっているというわけ。
さて、最初に下車したのは新村駅

ここには大正10年開業当時の木造駅舎が残されているのだ。24年3月に駅舎としての役目を終え、今後どうするかは検討中とのことだが、なんとか保存して欲しいものである。

また、新村駅には5000形(元東急5000系)が東急時代の色に戻されて静態保存されている。

さらに凸形電気機関車も。遠目にはブレーキディスクが露出しているように見えた車輪の銀色の輪は、よく見たら電飾だった。クリスマスイベント仕様か何かだろう。
ざっくりググるとこの電気機関車はED30形ED301。ウィキペディアによると、

ED22 3は、西武鉄道ではA1形A1となったが、1960年8月に松本電気鉄道(現、アルピコ交通)に譲渡され、ED30形ED301と改番された。そのため1,500V→600V(岳南貸出時)→1,500V→750Vと使用電圧の増降圧を繰り返す特異な車歴を持つこととなった。同社では構内入換、工事、除雪用として使用され、1986年(昭和61年)には同社上高地線の架線電圧1,500V昇圧に伴う通算4度目の電圧変更工事も受けるが、2005年(平成17年)9月に除籍され、静態保存へ移行した。

とのこと。これも(電飾はさておき)良好な状態で保存されており好感が持てる。
さらにさらに、保存車両ではないがこんなものも見ることができた。

倉庫として使われている貨車。台車を外された、いわゆるダルマ状態とはいえ、木造の有蓋車とはなかなか珍しい。

木造貨車ワ1、2
松本電鉄新村車両所で倉庫として使用されている木製有蓋貨車。
車体側面の扉に松本、社紋、ワ1、ワ2の表記が残されている。
また、ワ1の車体下部に製造銘板が残されており、
腐食が著しいが辛うじて日本車両の社紋と大正の文字が読み取れる。
バッファの取り外し跡等も残されており、大変貴重な車両と思われる。
現在も倉庫として現役らしいが、新村駅駅舎と共に保存が求められる。
 
(「カフエー大正浪漫→ぶらり大正→長野県・松本松本電鉄沿線」より)
http://kahuetaisyourouman.web.fc2.com/wa1-2.html

折角ED301の話題が出てきましたので,貨車のことも.車両所の西側,5000形電車の前にダルマ状態で置かれている2両はワ1,ワ3といって1923年に日本車両東京支社で製造されたものとのこと.貨物輸送終了より少し前に廃車,倉庫として転用されました.
 
(白かえる通信2012/11/20付「第350回 今週の金曜日は…」より)
http://www.matsuaz.com/limix94/2012/11/20.html


連結器が緩衝器(バッファー)と鎖(リンク)を用いるねじ式連結器だった痕跡がある。日本の鉄道院は1919年(大正8年)に全国の機関車・客貨車の自動連結器化を計画、1925年(大正14年)7月に一斉に交換したというから(ウィキペディア「連結器」)、1923年製のこの貨車は最後のねじ式連結器世代のようだ。