怪獣ウルトラ図鑑[復刻版]

購入時に下書きを書いて、もうちょい詳しく内容に踏み込むつもりで書きかけのままほったらかしだったものを今さら上げてみる。2012年3月購入。

怪獣ウルトラ図鑑[復刻版] (写真で見る世界シリーズ)

怪獣ウルトラ図鑑[復刻版] (写真で見る世界シリーズ)

あんまりな値段なのでスルーを決め込んでいたが、リアル書店で思いがけず見かけてしまい、これも縁と買ってしまった。

昭和43年(1968年)初版の同名書の復刻で、「当時の内容や印刷・造本などを可能な限り再現」がキーコンセプト。記事本編のみならず、初版時の奥付や、巻末の広告(秋田書店刊「世界怪奇スリラー全集」全6巻)まで収めている。

そうしたコンセプト故に、2012年版として追加されたのは奥付ページのみ。マンガの復刻版によくある関係者インタビューや作品解説は一切無い。それはそれで歓迎するが、別冊小冊子かペラ1枚の差し込みででも解説は欲しかったところだ。

事情は理解するが「権利元の意向により、一部キャラクターなどの掲載内容が異なります」はやはり残念。ただ、私は初版を知らず、注意して読んでもどこが差し替えられたかはわからなかった(これについてはAmazonのカスタマーレビューに言及がある)。内容変更は、この本の価値を大きく下げるものではないだろう。

さて、初版を読んだことの無い者としての感想だが、良く言えば「濃密でてんこ盛りでバラエティに富む」、悪く言うと「散漫でしっちゃかめっちゃか」で、一気に読み通したら少々疲れを感じてしまった。

これほどバラエティに富んでいるにもかかわらず、「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」の登場人物紹介(地球人の紹介)は全く無いのが面白い。怪獣とウルトラマンの図鑑であって、「ウルトラマン」というテレビドラマの図鑑ではないのである。そこが徹底されていることにセンスを感じた。

怪獣内部図解は、一部が1972年初版の『怪獣図解入門』に再録されている。2008年に復刊しており(asin:4092203349)、値段も比較的安いので、大伴昌司入門にはそちらをお薦めする。