週刊少年チャンピオン#48

バチバチBURST」 実はちゃんと強くなっていた田上。前回の王虎の台詞、「所詮は小者だな」は、自分の相撲を信じていないことに掛けられた言葉だったのか。

そして全く予想外の展開に。これから先、休場不戦敗も負けのうちだろうし、「負けたら廃業」宣言はどうなる? 見た目ほど大きな怪我でもないのか?

名探偵マーニー 映画ギャバンはヒドいらしいね。その影響を受けたわけではないでしょうが、今回のマーニーもちょっとヒドい。

とくに、マーニーが真相にたどり着くきっかけとなった新聞の死亡記事。これでは半年前にもうみどりさんの居場所はバレてたことになる。光輪さん自身が親類のことを思って知らせた? それなら直接知らせるだろう。病院か火葬場(←時事ネタ)から情報が流れた? 女優だった時期はごくわずかなのに「安崎みどり」という本名から元女優だと誰にわかる? 仮にわかったとしても遺族に、つまり光輪さんに確認をとるから、そこでストップをかけられて記事にならずに終わる。光輪さんの意向に反してまで記事にするなら、醜聞半分ロマンス半分でもっと煽るような記事にするはずだ。

一方、隣人はただ「半年くらい前から変なことを言い出した」としかいわない。つまり、光輪さんの変化に気付く程に親しくしていた隣人でも、ウワサ程度でさえ同居人の存在に気付いていなかった。引っ越してきた時点で既にみどりさんは入院していたとしても、世間話に出てこないわけがないし、病院関係者には存在が知られているのに隣人には隠す、というのは無意味だ。

マーニーに真相を言い当てられたときの、光輪さんのリアクションもよくわからない。マーニーと読者にとっては「意外な真相」だけど、光輪さんはこれまでずっと「安崎社長が放った追っ手≒駆け落ちのいきさつを知っている探偵」に追われてきたんでしょ。マーニーのこともそういう手合いだと思うはず。何故に「今思い出すとあの頃が〜」なんて述懐するのか。

話の組み立てが逆なんだろうなぁ。まず「真相」があって、そこから手がかりがこぼれ落ちているのではなく、「謎解き」を成立させるために手がかりが小出しにされている、という感じ。プロットを組む段階ではもちろんそれでも良いんだけど、完成作品に明らかな不整合があるのはちょっとね。1話完結にこだわらず、2話で1本の構成にでも改めて、もうちょっと時間をかけて話を練り込んで欲しい。

ともあれ、ガーリィな装いのマーニーさんがたいへん可愛らしゅうございました。ここ一番重要。

「ガキ教室」 野球部のときと同様、子供の問題は子供同士で解決するわけか。いい話なんだけど、「あえて口出ししなかった」野球部事件に対して、今回は「晶には打つ手が無い間に二人が会っちゃった」なので、ご都合主義の印象が強い。

ただ、今回の問題の中核は須藤くんの母親(と兄貴)なので、それをどう解決するのかに期待……でも、そこでも晶の出る幕はなさげな……。

てんむす 前回の感想に「この期に及んで「んっまいよ〜!!」とか「楽しく食べなきゃ」をフィーチャーしちゃうの?」と書いたら、今回は「勝たないと楽しくない」とまたひっくり返してしまった。なんだこりゃ。

部長対決はいいとしても、沖縄の娘はもうちょい扱いようがあるだろう。長編としての話の流れで言ったら、「ガツガツと勝利を目指すようになったり、暑さに負けてしまったりする天子を、「んっまいよ〜」の原点に引き戻す好敵手」という重要なキャラだと思うんだが、使い捨てでよかったのか?

ニコは勝ったか負けたかのどっちかとして、ハシラの「登場人物」欄に名を残しながら競技風景が全く描かれなかった花ぽんの動向が気になる。

「スポ×ちゃん」 フェンシングvs新体操という突飛な対戦カードを、素人目にもそれとわかる形できっちりと絵にしていて、なかなかに見応えのある決着でした。

そして「ゴメンなさい」に「ありがとう」で、さわやかに大会終了。「いや「遊び」だヨ」はさりげにスポーツチャンバラの本質に関わる重要な台詞だな。茜のフェンシングも、かすみの剣道も、武術を原点とするスポーツだけど、スポチャンはチャンバラ遊びから発展したスポーツだという決定的な違いがある。それが今後の作品テーマになるとも思わないけど、かすみが姉に対するコンプレックスを乗り越えるカギくらいにはなる?