週刊少年チャンピオン#44

「囚人リク」 この展開は予想外、しかし理にかなっていて、しかも熱い! なるほどなぁ、レノマ&リクに直接の危機は及ばないけれど、それ以上に重い「関係ない人間に累が及ぶ」という問題がここでのしかかってくるわけか。あわただしい展開にはならず、でも緊迫感を保っている。巧い。
次回、高木はレノマの人望の厚さに戸惑い、レノマもまた森田が処罰されていることに悩む、といったところか。面白いんだけど、ちょっと落としどころが見えなくなってきた。
バチバチBURST」 前号の感想に、「次号は悪堕ち田上の登場か。誰との取り組みだろう。順当にいって渡辺あたり?」と書いていたんだが……。ええと、誰? 
初登場のキャラ(たぶん)で、しかも名前が全く出てこないというのは、それこそ「誰の意識にも刻まれない」演出としてワザとやっているんだろうな。
ていうか次号はもう鯉太郎対田上かい! 今回の田上、「勝利への執念」とか「地獄の稽古」とか言うには少々わかりやすい「小ずるいやり口」だったし、次回次々回あたりが良くも悪くも最後の見せ場になりそう。
ドカベン ドリームトーナメント編」 奇策とスタンドプレーによって、敵も味方も読みや計略のとおりに進まなくなっているのが無茶苦茶面白い。
名探偵マーニー 今回は文句無しによかった。本題と無関係に見えた導入が伏線になっていたりとか、養育費によるプロファイリングとか、「気配を感じる」が合理的なところとか、「知られざる意外な職業」に関するうんちく要素とか(とはいえあの解説はどれくらい本当なんだか)、それを予め反転させておいた父親の人物造形とか、そして最後のひとコマとか! 
サラッと「ウチも似たりよったりかなぁ」などと、シリーズを縦断して描くであろうマーニーの家庭の事情に言及しているのも巧い。
「バドバドミント!!」 前回の感想に「描写はどう見たって力押しなところで「地上最速の"メンタル"スポーツ」に説得力を与えられるか否かが次回の肝でしょうか」と書いていたんだが……。あんまり無かったです、説得力(苦笑)。スポーツ選手による「いじめ、かっこ悪い」的なお説教は別にバドミントンに限った話でないし。まぁ絵の力もあって、単純な勧善懲悪の爽快感はあるから問題無いか。
てんむす 苦戦はしているけれど、それで対戦相手たちが強いようには見えないのはどうなんだ。遊の競技風景は飛ばされるわ、天子はただ「暑い」というだけでキャラクターの根本が否定されてるわ(ここは「それでもみんなと食べられて楽しい」とひっくり返すべきなんでは)、どこに見せ場を作りたいのかよくわからない。
「ラララライブ」 え? あれ? 前回から話が続かないの? なんか新展開に入ってるけど色々とほったらかしでないかい?
ただ、その新展開のために確信できた。この人、バンドのマンガ向いてないわ。演奏とか楽器とか無関係なおじいちゃんの暴れっぷりのほうがずっと面白いやん。