スマイルプリキュア#32

かの怪作「フラクタル」と同じで、「ディストピアを描きたいんだろうけどどう見てもユートピア」な状況がなんとも……。怠け玉の中の世界は、悪く言っても「自己欺瞞」による現状肯定あるいは「諦念」であって、「絶望」じゃないよねぇ。

個々の回想では、頑張ったけど結果に結びつかなかった・評価されなかったエピソードが回想されて、「そらまあ怠け玉にこもりたくもなるよな」という説得力は十分。しかし、あまりに説得力があり過ぎて「出たくないのももっともだよな」とまで思えてしまうのだった(苦笑)。

「頑張ったから上手くいった」という成功体験の回想が薄いから(怠けていてはダメだという根拠が薄弱だから)、みゆきの叫びも今ひとつ空疎な感じでした。「○○のときはみんなで○○を頑張ったから乗り越えられた」というエピソードを、もうちょっと具体的に回想して欲しかったところです。以前のパワーアップ回とか、やよいのお父さん回とか、それなりにあるんだし。