埼玉県立近代美術館「ウルトラマンアート!」展

入館料一般1100円、評価10/100点
扱う作品を「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」だけに限りながら成田亨(and 高山良策 and 池谷仙克)展でない時点でダメな臭いがしていたんですが、概ね予想通り。美術館よりサンシャインシティが似合います。子供がキャーピーキャーピーうるさいのもサンシャインシティ的。見にきた甲斐があったと思った展示物はゴモラの頭部くらい。まぁ私は以前、足利まで出かけて成田亨展を見ているので、その分は割り引くべきでしょうが。
特オタ的な観点でダメというだけでなく、美術館の企画展としてもまず論外レベル。テーマもへったくれもありゃしない。「アートの視点からの再評価」「アートの視点から検証」などというが、その「アートの視点」がまるで感じられないのだ。出演者のサイン入り小道具のどこがアート?
作家展という切り口以外にも、同時代の美術やプロダクトデザインとの関連などいった取り上げ方もあるだろうに、円谷プロと関係者とM1号から借りられるものを適当に並べただけ。「夏休みだからガキ向けの企画展やって親子連れで稼がせてもらおう」という本音が見え見えだ。この美術館にはそもそも、「検証」なり「再評価」なりができる「アートの視点」を備えた学芸員がいないのではないか、とさえ思った。