/機動戦士ガンダムAGE#18

♪ぼくを見つめてた青い瞳
敵として眼前に立ちはだかった者が、なんと好意を抱いていた相手だった……という展開がある。

「機動戦士Zガンダム」のいわゆる香港編において、カミーユとフォウが恋仲になるのは、いささか性急な展開と言わざるを得ない。しかし、実に巧妙に、その流れはドラマチックかつ説得力あるものに仕組まれているのだ。

要点のひとつは、ともにキ○ガイだという似た者同士のところ……もとい、ともに「家族がいない」という、同じ孤独を抱えている点。「機動戦士ガンダム」でララァアムロを「あなたには守るべき人も、守るべきものもないというのに!」と問い詰めたこととも呼応し、互いの孤独を埋めようとするという図式ですんなり理解できる。

もうひとつは、そうした共通点がある上で、カミーユには過去と名前があり、フォウにはそれらが無い、という大きな相違点があること。戦場でフォウを前にしたとき、序盤で最も印象的なカミーユの奇行「カミーユが男の名前でどこがいけないんだよ!」が伏線として活きる。「好きさ。自分の名前だもの」と、カミーユが自分の名前を、自分自身を認めることに視聴者は確かな成長を感じたのだ。
「機動戦士Zガンダム」これにて完結!(だったらさほどの不満はなかったのになー)
♪ドレス着て〜 っとくらぁ。

比べると「機動戦士ガンダムSEED」でのキラとアスランの関係は、いささか荒っぽい。だが、番組本編が始まる前の時間において交流があったという設定で、トリィという小道具も用意されているから、直接の描写は少なくとも視聴者は想像で補うことができる。

今日フイと考えたのは、こんなことだった。まともに評価できる作品でないと思っていた「Z」「SEED」両作品を再評価する機会が得られたことは、まず幸福で価値あることと受け止めたい。これが今回の「AGE」の、唯一の誉めどころである。